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製品への応用技術
製品への応用技術

新1回転未満ダイヤルゲージへ採用した新技術

1.商品紹介(概要)

ダイヤルゲージ(以下DG)は、寸法測定器として測定スタンドへの取付、治具・検具への組込み、デプスゲージ・シックネスゲージ等の応用商品へと幅広く利用され、用途に応じバリエーションに富んだ機種を取り揃えています。
この数多い機種の中で、1回転未満DGは比較測定に重点をおき、指針の回転量による読み誤りが少ない、ショックプルーフ機構という特長を持っているため、従来形DGに置き換わる動きを見せています。特に自動車メーカーに愛用され1977年(昭和52年)より生産されています。しかし、未だ価格面で割高感があり、海外に至っては浸透していないのが実状です。
本稿では、低価格・高信頼性を目的として新しく開発した普及形の1回転未満DGをご紹介します。

No.2971
No.2972
No.2973
No.2971
No.2972
No.2973

2.開発コンセプト

新タイプの1回転未満DGは、低価格化に加え、品質及び信頼性の向上、耐環境性を重視して開発を行ないました。

1)
測定の信頼性…ヒューマンエラー対策

[1回転未満DGの有効性]

<1回転未満DG>

1回転未満DG
NG判定容易

<標準DG>

<標準DG>
※1mm大きいワークの場合、長針は同じ位置を指すので短針を見逃すとOKと判定してしまう。


短針を見逃すとOK判定になる

2)
高寿命・耐環境・防塵機構
新タイプのショックプルーフ機構を採用し、スピンドルの急激な動きに対して歯車を保護します。

オオイ板・外枠を一体成形、スピンドルブッシュを内側に設定することにより、外部からの油・塵埃の侵入を防止し、高品質・高性能を実現しています。

3)
軽量
従来に比べ約40%の軽量化を実現しました。特にシリンダゲージ等に用い、長時間の作業をする場合は疲れが軽減されます。

4)
安価
新素材の強化プラスチック成形品を採用し、信頼性が高くかつ大幅なコストダウンを実現しました。

3.新技術

1)
内枠のプラスチック化
内枠のプラスチック化
従来の亜鉛ダイキャストから強化プラスチック(PPS+カーボンファイバ)にすることにより、軽量化を実現しました。同時に裏ぶたの一体化、ステムのインサート成形化等の構造見直しを行ない、従来の圧入・組立を廃止し、ステム部の強度アップと防滴性の向上を実現しています。(国内では初)

2)
内枠とブッシュの一体化
内枠をプラスチック化したことにより、案内面の材質も一体化とし、従来の黄銅からプラスチックに変更しました。これにより案内部の位置を内側に変更し、ステムクランプは全範囲で可能となり、またステム下端からのゴミの侵入に対してもスピンドル作動に影響し難い構造となっています。

ステムクランプは全範囲可能であり位置合わせが容易
内枠とブッシュの一体化
案内部は内側にあり、例えばステム下端からごみが侵入しても、スピンドルの作動に影響を受けにくい。
クランプ位置に案内部が無いので、ステム・クランプによる作動不良が無い

3)
ショックプルーフ機構
従来からある3つの拡大機構の中で、目量0.01mmでは、初めてピン拡大方式を採用し、ショックプルーフ機構による高寿命と、高精度化を実現しました。

3つの拡大機構

方式 ラック&ピニオン
1枚歯 ピン接触
耐衝撃性
使用例 0.01mm読み DG
1回転未満 DG
0.001mm読み DG

ピン拡大方式のショックプルーフ機構
ピン拡大方式のショックプルーフ機構

スピンドルの急激な押し上げに対して、ピンが逃げる機構になっているので、衝撃がギヤに伝わりにくくなっています。

4)
セクタギヤのプラスチック化
セクタギヤのプラスチック化
複合強化プラスチック(POM+ウィスカ)の採用により、歯車の摺動性を向上しています。また、従来圧入していた部品をインサート成形で一体化し、アッセンブリ状態での高精度化を図ることができました。(精度に影響する部品としては初)

5)
ハードコーティング
オオイ板にハードコーティング処理をして耐傷性、耐油性(耐薬品性)を向上させています。

a:スチールウールで擦る
b:薬品を垂らす

試験項目 コーティング無 コーティング有
a 傷多い 傷無し
b(トリクレン) 溶解 異常無し

4.仕様

コードNO.
目量(mm)
測定範囲(mm)
目盛仕様 精度(μm) 測定力(N以下)
全測定範囲指示誤差
戻り誤差
2971 0.01 0.5 25-0-25 ±10 5 1.4
2972 0.01 1 50-0-50 ±12 5 1.4
2973 0.02 1.6 80-0-80 ±16 6 1.4

シリンダゲージ取り付け例

以上、新タイプの1回転未満DGの特長をご紹介しましたが、今回実現した技術を標準タイプのDGへも展開し、コストパフォーマンスの向上を図りたいと考えています。