静岡県菊川市 スター精密株式会社様「匠」の技術で品質を極める。スター精密の新たな挑戦を支える超高精度三次元測定機

お客様の声 三次元測定機

導入機種:超高精度三次元測定機 LEGEXシリーズ 匠モデル

スター精密株式会社様

スター精密株式会社様(以下、スター精密)は、腕時計用精密部品の製造・販売から始まり、現在では時計や自動車、歯科用の精密部品を加工する工作機械を製造しています。特に微細な部品加工に強みを持つスイス型の自動旋盤では、世界シェア3割を占めます。

スター精密が超高精度三次元測定機 LEGEX 匠モデルを導入した背景と、それによって実現した測定技術の革新についてご紹介します。

本事例の要約

  • 課題・背景

    • 医療向け製品ラインナップ拡大に向けて、チタン合金などの難削材や複雑形状部品の高精度加工技術が求められる中、2006年から使用していた三次元測定機の老朽化が課題になっていた
    • 今後、自社で製造するより高精度な部品を評価するため、さらなる高精度の測定機が必要だった
  • 導入内容・解決策

    • LEGEX 匠モデルを導入し、新機種開発や高精度部材の評価に活用
    • 旋盤導入前のテスト加工をLEGEX 匠モデルで検証し、確かな精度と品質を保証
  • 効果・展望

    • 測定技術の向上により、お客様の加工工程見直しや品質改善まで支援できるレベルに到達
    • タイ拠点にも同機種である匠モデルを導入し、グローバルでの更なる測定技術の向上を推進

事業概要

高精度のマザーマシンだから、測定機器も作れる

スター精密は工作機械事業を主力とし、特に自動盤分野において世界トップクラスの技術力を誇っています。同社が製造する工作機械は、ミツトヨのマイクロメータで使用している小径長尺部品の加工ができるほどの高精度を実現しており、その精密さは業界でも群を抜いています。

スター精密様工作機械

同社の強みを活かし、医療分野への展開強化を図る

同社は2030年までに「自動盤のトップメーカー」という地位を確立するため、現在、医療機器分野への展開を強化しています。

この目標を達成するには、さらなる技術力と測定技術力の向上が不可欠です。特に、医療機器の製造には、チタン合金のような加工が難しい素材が多用されるため、同社の強みである高い技術力が活かされます。

そのため、同社が提供する高剛性の工作機械が、医療機器の製造に活かされます。医療機器は、複雑な形状や高い精密さが求められるため、同社の工作機械の優位性を最大限に発揮できる分野です。

測定技術を担当する榊原様は、「医療機器メーカーへの投資を含め、この分野への取り組みを本格化しています」と、同社の戦略について語りました。

スター精密様最新機器

運用体制・課題の背景

高精度加工を支える、測定の重要性

測定技術の重要性について担当の榊原様はこう語ります。
「当社は、旋盤を導入されるお客様に対し、機械の導入支援や加工した部品の測定を行っています。
お客様に当社の機械がどのくらいの精度を出せるかを示す上で不可欠な役割を担っており、当社の技術力をアピールする上では欠かせません。」

測定技術担当 榊原様

測定技術担当 榊原 様

測定の精度が低ければ、部品の真の寸法や精度を証明できません。そのため、ミツトヨの「つくれるかどうかは、はかれるかどうか」という理念に強く共感しました。

LEGEX匠の操作

「三次元測定機は高額な設備投資となるため、更新については様々な角度から検討を重ねました」と榊原様は当時の状況を振り返ります。2006年に導入した「LEGEX9106」は老朽化しており、高まる精度要求に応えるためにも、現行機を上回る高精度な三次元測定機の導入を検討していました。

導入内容・解決策

「匠」の技術力と理念に共感した超高精度測定機の導入

スター精密では、ミツトヨの超高精度三次元測定機「LEGEX 匠モデル」を導入し、測定技術を大幅に向上させました。
「元々LEGEXシリーズは使用していたので、その技術力は十分に理解していました。そこに『匠』が登場したとき、真値を追求するという姿勢に強く共感しました」と榊原様は導入の決め手を語ります。

LEGEX匠の導入について

半年間にわたる技術支援が決定打

榊原様は「LEGEX 匠モデルは、測定機の精度だけでなく、顧客サービスやこれまでの実績、技術力の全てにおいて『最適解を与えてくれる測定機』だと確信しています」と語ります。
その決め手となったのは大型部材の測定方法を半年間にわたり一緒に検討してくれたミツトヨの手厚いサポートでした。

技術支援について

さらに榊原様が特に印象的だったと語るのは、 LEGEX 匠モデルを生み出したマイスター制度でした。「標準化や自動化が進む今でも、人の技術に依存する分野は残ります。匠の技術を継承し、人の技術力を伸ばそうとするミツトヨの理念に深く共感しました。当社でもぜひ参考にしたいと考えています」

LEGEX匠の全体画像

測定技術の向上は、非常に重要な課題です。榊原様は「自ら現場に足を運び、部品の使われ方や設計思想、加工技術について一緒に考え、学び続けたい」と語りました。

導入効果

見えない課題を可視化し、お客様のものづくりを改善する

LEGEX 匠モデルの導入により、これまで見えなかった課題が可視化されました。「何も言わなければ気づかれないことでも、きちんと測定すると気づくものがあります」と語ります。

とある部品の同軸度において、お客様の測定値がφ0.005、LEGEX 9106匠モデルの測定値がφ0.010になったケースがありました。原因をよく探ってみると、お客様の測定では同時加工しているから大丈夫だろうと、データム面を置き換えていたことが判明しました。
このケースでは、お客様の加工工程を見直すことで、同軸度を規格内に収められることに成功しました。
LEGEX 匠モデルの活用により、同社はお客様の品質改善まで支援できるレベルに到達しました。「削りの砥石の当たりなども改善できるようになり、LEGEX 匠モデルがあることで、お客様がより高精度なものを作れるようになっています」

LEGEX匠の導入効果

今後の展望

測定機と共にあゆむ未来

今後の取り組みについて榊原様は、「LEGEX 匠モデルを通して様々な気づきがありました。偶然知ることができた要素もありますが、まだ知らない要素もたくさんあります。測るだけでは価値がない。品質保証として、数値をフィードバックし、それを技術に繋げることが重要なので、これからもLEGEX 匠モデルを通して学び続けたいと思います」と語ります。

また2025年7月には同社のタイ拠点にもLEGEX 匠モデルを導入しました。これまでタイでは、三次元測定機を所有しておらず、高精度な測定が困難な状態でした。今後はタイ拠点においても測定技術の強化を目指していく予定です。
榊原様は「測定技術の向上を通じて、当社の工作機械をお使いいただくお客様によりよい価値を提供していきたい」と語りました。

スター精密様今後の展望

お客様プロフィール

スター精密株式会社

腕時計用精密部品の製造からはじまり、現在では時計や自動車、歯科用の精密部品を加工する工作機械の製造を行っている。微細な部品を加工するスイス型の旋盤では、世界シェア3割を誇っている。

スター精密様の外観
所在地 菊川工場 - 静岡県菊川市三沢字北ノ谷1500-34
設立 1950年7月
事業内容 小型プリンター 工作機械の製造
URL https://star-m.jp/

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