鳥取県米子市 地方独立行政法人鳥取県産業技術センター 機械素材研究所 様20年活用した測定機を入れ替え。非接触による真円度測定をより高精度で活用可能に

お客様の声 形状測定機

導入機種:真円度・円筒形状測定機 ROUNDTEST RA-H5200AH

地場産業の振興を願い精密測定の観点から
新技術の創出に取り組む

地方独立行政法人鳥取県産業技術センター様ロゴ

「東の富士山、西の大山」と呼ばれる名峰・大山。その麓に広がる緑豊かな米子市南部エリアに拠点を置く、地方独立行政法人鳥取県産業技術センター 機械素材研究所様(以下、鳥取県産業技術センター)を訪問。今回は、多様な支援活動で県内の製造企業から厚い信頼を得ている同センターの精密測定担当者にお話を伺いました。

本事例の要約

  • 課題・背景

    • ミツトヨの従来型の真円度・円筒形状測定機「ROUNDTEST RA-736」を1997年から20年にわたって活用いただいていたが入れ替え時となった
  • 導入内容・解決策

    • ミツトヨの特殊・高精度真円度・円筒形状測定機「ROUNDTEST RA-H5200AH」(非接触センサー付属)を導入いただいた
  • 効果・展望

    • 医療機器の逆止弁に用いられるゴム球の真球度を非接触式測定をしているほか、円柱形の金属素材の真直度を高精度に測定するなど、多様な製品の開発・製造に高い測定性能を活用
    • 測定範囲が広く、極めて高い回転精度、かつ、非接触センサーを用いた信頼性の高いデータが取れることにより、これまで測定が困難であった測定物の評価にも活かせることに期待

事業概要・運用体制

1923年開設の歴史ある公設試験研究機関として、
鳥取県内の製造企業を手厚く支援

鳥取県産業技術センターは、2023年に開設100年を迎える歴史ある公設試験研究機関です。県内に設置された「電子・有機素材研究所(鳥取市)」「機械素材研究所(米子市)」「食品開発研究所(境港市)」の3施設それぞれが、「技術支援」「利用・分析」「研究開発」「人材育成」という4つの基幹事業を通じて、県内の製造企業を手厚く支援しています。

鳥取県産業技術センター 機械素材研究所 外観

3次元データを活用した製品開発を促進

近年は特に試作開発の支援を重視しています。たとえば現在、精密測定の観点から3Dプリンターの造形レベル向上にアプローチして、高精度な試作品の製造方法につなげようという取り組みを進めているといいます。
設計データに対して、3Dプリンターによる造形物がどれだけ精度よくできているかを測定して明らかにするほか、作り方や後処理の仕方などで形状がいかに変化するのかを測定して調べることができます。

技術的なアドバイスを提供するだけでなく、試作開発についての支援にも取り組んでいます。多大な時間や費用を要していた試作開発を効率化することで、より多くの企業に新技術や新製品の開発に取り組んでもらおうと、3次元データを活用し製品開発を促進する支援をしています。これにより開発にかかるリードタイムを大幅に圧縮し、設計における検討時間を確保することで、より付加価値の高い製品開発を進めることができます。

機械素材研究所の利用件数は年ごとに増えており、ここ10年で約4倍となっているそうです。「あってよかった」から「なくては困る」と言われる身近な存在でありたいと考え、企業ニーズにしっかり応える施策の数々が利用者の心を捉えているからでしょう。

機械素材研究所の3Dプリンターで試作開発し製品化された日産「スカイラインGT-R」1/6エンジンモデル

導入内容・解決策

20年活用いただいた真円度・円筒形状測定機を入れ替え

機械素材研究所の精密測定室を訪れると、整然と設置された多数の精密測定機器のなかに、導入いただいて以来、技術支援において重要な役割を果たしているというミツトヨの特殊・高精度真円度・円筒形状測定機「ROUNDTEST RA-H5200AH」(非接触センサー付属)が設置されています。
RA-H5200AHは、1997年から20年にわたって活用いただいてきたROUNDTEST RA-736からの入れ替え更新で、2017年3月に導入いただきました。

ミツトヨの特殊・高精度真円度・円筒形状測定機
ROUNDTEST RA-H5200AH(非接触センサー付属)

測定範囲が広く、極めて高い回転精度。
これまで測定が困難であった測定物の評価にも期待

測定担当者は「いくつかのメーカーのレーザーセンサーでゴム球を測ってみましたが、RA-H5200AHは、素材の特性から起こりやすいデータの飛びがほとんどなく、安定した測定ができました。また、測定範囲も広く極めて高い回転精度で非接触センサーを用いて信頼性の高いデータが取れるところは、これまで測定が困難であった測定物の評価にも活かせると思います。」とRA-H5200AHを高く評価してくださいました。
医療機器の逆止弁に用いられるゴム球の真球度を非接触式測定をしているほか、円柱形の金属素材の真直度を高精度に測定するなど、多様な製品の開発・製造に、その高い測定性能が活用されています。

20年前の鳥取県産業技術センターとミツトヨの共創が、
非接触による真円度測定を確立していた

また、「真円度・円筒形状測定機での非接触式測定は、RA-736を導入した際に、私たちとミツトヨさんとで初めて実現しました」と20年前のエピソードを話してくださいました。

当時、ハードディスクの軸受け部品の加工精度向上を地元企業から相談されたことをきっかけに、真円度・円筒形状測定機の導入に動き始めましたが、同じ時期、接触式では難しいゴム球の真球度の高精度測定に取り組む必要が生じたため、非接触式による真円度測定の実現に挑戦するプランが持ち上がったといいます。

その後、数カ月にわたるやり取りを経て、それまで類例のなかった非接触式の真円度測定が実現しました。この出来事は、大きな技術的成果として新聞でも報じられたそうです。

RA-H5200AHの高精度かつ高剛性な回転テーブル。
世界最高レベルの回転精度「0.02+3.5H/10000 μm」を達成

今後の展望

製造企業の方々が得意分野を伸ばして、
オンリーワンの企業になれる後押しをしていきたい

地場産業の振興を願い、新技術の開発に創意工夫で取り組む機械素材研究所の姿勢は、当時も今も変わりません。
ものづくりと向き合う職員一人ひとりの実直な姿勢が積み重なり、地元企業からの厚い信頼につながっています。鳥取県産業技術センター 機械素材研究所は、今後も大きな力で鳥取県の産業をけん引していくことでしょう。

中国地方の最高峰の大山(だいせん、標高1709m)

お客様プロフィール

地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
機械素材研究所 様

鳥取県の公設試験研究機関として県内に設置された「電子・有機素材研究所(鳥取市)」「機械素材研究所(米子市)」「食品開発研究所(境港市)」の3施設のうちのひとつ。県内の製造企業の産業技術を手厚く支援しています。

所在地 鳥取県米子市日下1247
設立 1923年4月
事業内容 産業技術に関する試験研究と成果の普及および、ものづくり分野における技術支援と人材育成
URL https://tiit.or.jp/

*本記事の記載内容は、過去掲載記事に対して一部再編集を行った2021年7月時点の情報です。

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