MITUTOYO Japan
プレスリリース
2007.02.01

信頼される企業に向けて

 2006年8月25日、外国為替および外国貿易法違反容疑で、前社長ほか4名の逮捕、そして、9月14日に前社長ほか前役員など3名が起訴され、さらに9月28日に4名の再逮捕とともに、翌9月29日に法人としてのミツトヨが書類送検されました。そして、10月18日にはすでに起訴されていた前役員4名が外国為替および外国貿易法違反と関税法違反で追起訴されるとともに弊社も法人として起訴されました。
 ミツトヨは、「仏教伝道の支援を通して人々の幸福に寄与する」という創業者の願いのもとに創業され、以来、「精密測定によって社会に貢献する」という使命感を持って事業を営んでまいりました。
 それだけに、ミツトヨグループの役員や社員にとって今回の事件は誠に痛恨の極みです。世間をお騒がせし、関係する多くの方々にご迷惑をおかけしましたことに対して深くお詫びを申し上げますとともに、二度とこのようなことを起こさないことを肝に銘じて、海外貿易に関する安全保障体制の確立や組織体質の変革など、様々な改革を進めるとともに、新たな理念体系を設定いたしました。
 しかしながら、何よりも大切なのは、ミツトヨグループの役員・社員一人ひとりの意識と行動の改革であると考えています。会社として、遵法意識が希薄であったことが今回の事件の背景となったことを深く反省するとともに、今回の事件の教訓を風化させずに、一人ひとりがこの新しい理念体系のもと、企業の使命や社会的責任を踏まえて行動してまいります。

新しい理念体系

組織体質を変革するための重要な切り口として、経営理念や社是・社訓の意味を問い直し、「あるべき人材像」や、そういう人材をはぐくむ「あるべき環境(組織環境、責任権限、人事管理の考え方等)」を明確にして、役員と社員が同じ考え方で取り組まなければならないと考えています。
新しい理念体系は、「創業の精神」、「経営理念」、「倫理行動基準」で構成されています。
新しいミツトヨグループ理念体系

創業の精神

創業者が会社設立に託した強い思いである「創業の精神」は、不変でありミツトヨの経営の原点であり、ミツトヨグループ全体の心の拠り所となるものです。

(1)
仏教伝道の支援を通して人々の幸福に寄与する

共存共生の心である仏教伝道の支援を通じて人類の平和と幸福に貢献するという願いが最初にあり、この願いを成就するために会社を興しました

また、会社は縁あって集まった社員が共に成長し共に幸せを追求する「共生の場」であり、人格を磨く「人生の道場」でなくてはならないと考えました
(2)
活動する領域において世界のトップレベルを目指す

創業者がマイクロメータの国産化に着目したのは、“人に迷惑をかけない”“世のため人のためになる”という共生の心に基づいています

まだ技術も確立されていない時代に、「やる限りは世界でも一流と評価され、信頼される存在になる」という高い志をもって事業を開始しました
「創業の精神」の意義を再確認して会社の存在意義、会社経営の基本目的として「経営理念」を新たに定義いたしました。

経営理念

経営理念は『精密測定で社会に貢献する』ことであり、これは、以下に掲げた6つの指針を成し遂げることを意味しています。

経営理念の6つの指針

1つ、
精密測定に関する課題解決を通じて、お客さまの事業発展に貢献する

製品、サービスの提供にとどまらず、精密測定に関する技術、ノウハウを駆使して、お客さまの課題解決に貢献します

これを通じてミツトヨの技術、ノウハウをさらにレベルアップし、お客さまのより困難な課題解決に貢献するという好循環を実現します
1つ、
精密測定技術の練磨・革新を通じて、世界の産業・技術の進展に貢献する

精密測定の技術を高め、経済性の向上を図るとともに、これまで対応困難とされてきた物の測定を可能にすることにより、世界の産業の発展、技術の進歩に貢献します
1つ、
事業活動に関りのある全てのパートナーとの共存共栄を図る

開発、販売、購買、製造、物流等に関わる全てのお客様との公平・公正な取引関係を維持するとともに、お取引先様の技術・技能の向上や人材育成を支援することにより、相互の信頼関係を継続的に発展させます
1つ、
世界の平和、人類の幸福、自然環境との調和に寄与する

世界の平和、人類の幸福につながる事業や社会貢献活動を支援します

企業活動のあらゆるプロセスにおいて、自然環境との調和を図ります
1つ、
誠実で責任ある企業活動を行い、社会の信頼に応える

世界のトップブランドとしての社会的責任を果たすべく、法令遵守はもとより、高い企業倫理に則った誠実な企業活動を行います

経営の透明性を高め、社会に開かれた企業としての説明責任を果たします

ミツトヨが社会に対する責任を果たし続けるために、企業活動のあらゆる場面において生じるリスクに対し、適切な対応を図ります
1つ、
働きがいのある“生き生きとした” 企業風土を築き上げる

社員が誇りを持ち、共に成長し、働く喜びと幸せを共有できる企業風土を築き上げます

縁あって集った社員が、良き社会人として成長し、自立するための人格形成の場(人生の道場)を提供します

社是・社訓及び倫理行動基準

また、上記「経営理念」を実現するための会社の基本方針である「社是」と経営理念を実践する行動指針である「社訓」を再度確認し、それらを踏まえて、ミツトヨグループのすべての役員、社員が守るべき企業倫理に則った行動基準である「倫理行動基準」を制定し、実践してまいります。

再生に向けて

新たに定義した経営理念を基本として、企業体質を変え、再生するためのビジョンを次のように設定いたしました。

再生ビジョンのコンセプトは、「バランスの取れた経営」 「開かれた組織」 「信頼される企業」を目指すというものです。
再生ビジョンのコンセプト
この再生ビジョンを達成するための施策を「仕組み」と「風土・文化」に分けて考えました。まず、仕組みについては、既に実行したものも含めてつぎの4項目があります。
新経営体制
経営責任を明確にするとともに、事業の継続性を確保し、全社一丸となって適切な業務運用に取り組むべく、昨年9月11日付で新たな経営体制を発足させました。
経営諮問委員会
社外の有識者からなる経営諮問委員会を昨年10月23日付で設置し、経営全般にわたる改革案を今年3月までに提言いただくための審議が進められております。
新たな輸出管理体制の構築
輸出管理見直しプロジェクトにおいて、新たな全社輸出管理体制の構築やそれぞれの事業所における輸出管理体制の構築を進めるとともに昨年11月21日付で設置した安全保障貿易管理部を中心にして職場毎に、全社員に向けた教育も順次実施してまいります。
内部統制システム
コンプライアンス推進部が内部統制・ガバナンス体制構築の具体的実施計画を立案し、順次実施する準備を進めており、今年3月21日の運用開始を目指しております。

次に、風土・文化については、具体的な施策としては6項目あります。
ビジョンを達成するための施策


「明確な指示を伴うトップダウンと自ら参画するボトムアップのバランスある融合の実現」による適切な意思決定

「信頼関係の構築と権限委譲の実現」による責任と権限の適切な分担

自ら参画するボトムアップを支えていくための「報われる評価制度の実現」

「発言できる会議、ディスカッションの実現」によるコミュニケーションの充実

内部統制体制の確立による、輸出管理、労務管理、品質管理など我々を取り巻くいろいろなルールについての「法令遵守の実行とリスク管理・監査の実行」

すべての施策を支えていくための「レベルアップできる教育体制の実現」

再生ビジョンを達成させるためには、このような仕組み、風土・文化を創っていく必要があります。
これらの施策は全て関連していますので、バランスを取りながら実行してまいります。

1.
トップダウンとボトムアップのバランス融合の実現(適切な意思決定)

施策の1つ目は、「トップダウンとボトムアップのバランス融合の実現」です。
これによって、

明確な指示をともなうトップダウンと 自ら参画する意識を持ったボトムアップで、お互いに情報を提供・共有し、お互いに共感し納得した意思決定が行える会社
を目指します。
2.
信頼関係の構築と権限委譲の実現(責任と権限の適切な分担)

施策の2つ目は、「信頼関係の構築と権限委譲の実現」です。
これによって、

上下前後左右で、お互いの信頼関係に基づいて、適切に責任と権限を分担し、周りの立場・状況を理解・把握し、情報を共有しながら自ら進んで業務を行なえる会社
を目指します。
3.
報われる評価制度の実現

施策の3つ目は、「報われる評価制度の実現」です。
これによって、

自ら進んで、周りの共感を得ながら業務を行なった人が適正に評価され、適切に処遇される報われる会社
を目指します。
4.
発言できる会議、ディスカッションの実現(コミュニケーションの充実)

施策の4つ目は、「発言できる会議、ディスカッションの実現」です。
これによって、

参加者全員が、開催の目的と目標を理解し、議論を尽くし、納得した決議を出す会議が行われている会社

参加者全員が、課題や方向性などを自由に話し合い共有化できるディスカッションが、いろいろなところ・形態・メンバーで行なわれている会社
を目指します。
5.
法令遵守の実行とリスク管理、監査の実行(内部統制体制の確立)

施策の5つ目は、「法令遵守の実行とリスク管理、監査の実行(内部統制)」です。
これによって、

関連法令の精神を理解し、高い次元で法令遵守を行う会社

事前に危険を察知できる監査を適切に行う会社

さまざまなリスク管理を常に実行する会社
を目指します。
6.
レベルアップできる教育体制の実現

施策の6つ目は、「レベルアップできる教育体制の実現」です。
これによって、

業務の遂行に必要な教育を、目的に合わせて適切に実行する会社

自ら学習し、よき社会人として成長しようとする人を応援する会社
を目指します。

以上6項目については、それぞれに担当取締役を任命し、今後3年間で基礎固め、検証と修正を行い具体的に実現してまいります。
再生ビジョン
そして、これらの施策を通し、私たちを取り巻く多くの方々から信頼される企業を目指してまいります。

2007年2月1日
株式会社ミツトヨ
代表取締役会長兼社長
沼田 智秀
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