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非接触微細形状計測システム 白色光干渉計搭載形画像測定機 QV-WLI及びPFF
研究開発本部 商品開発部 真家 洋武/浅野 秀光/長濱 龍也/井村 隆治

1. はじめに
1.1 ミツトヨの非接触測定への取り組み
 近年の測定機に対する要求は多種・多様であり、高速・高精度化への要求に加えて、測定対象物を非破壊で測定可能な非接触測機への要求が高まってきています。当社は本要求に対応するため、現在、光学式をはじめとした、非接触測定機の開発に注力しています。
 特に、非接触画像測定機:“クイックビジョンシリーズ”(以下、QVシリーズと記す)は、XYZ軸直行形の座標測定機本体に搭載された画像測定用光学ヘッドにより、測定対象を撮像し、画像処理技術を使用した撮像画面内のXY座標位置検出を行うことにより、非接触で広範囲な寸法測定が可能であり、多くのお客様にご好評をいただいています。
1.2 QVシリーズによる非接触三次元測定
 “QVシリーズ”では、画像測定用光学ヘッドに加えて、レーザスキャニングプローブを搭載したQV Hybrid Type1シリーズ及び白色コンフォーカルプローブを搭載したQV Hybrid Type3シリーズをラインアップしています。これらにより、測定対象物の高精度な高さ測定や、三次元形状の測定が可能ですが、これらのセンサは、ポイントセンサ (レーザ等の集光点をスキャニングさせて三次元形状を得るセンサ)であり、一画面内の三次元形状を一括で測定可能なエリアセンサへの要求が高まっていました。当社は、この要求に対応するために、測定原理の異なる二つのエリアセンサ(白色光干渉計:WLIを搭載した“クイックビジョンWLIシリーズ”(以下、QV WLIシリーズ、及び、“PFF(Points From Focus)”測定機能)の開発を行いました。
 本誌では、“QV WLIシリーズ”及び“PFF(Points From Focus)”測定機能の持つ、異なる原理及び特長を紹介します。1)2)3)4)
表1 非接触微細三次元形状の計測技術
2. QV WLI シリーズ
2.1. WL(I White Light Interferometer)の測定原理(白色光干渉)
 “QV WLIシリーズ”では、白色光干渉の原理を利用し、高精度な三次元計測を実現しています。白色光干渉では、単色光干渉により得られる干渉縞(図1)と比較して、図2 に示す干渉縞の信号が得られるため、高精度な測定と測定範囲の拡張を両立する事ができるという特長を持ち、広く産業用途に用いられています。6)
図1 単色光干渉の例
図2 白色光干渉の例
2.2. システム構成と仕様
 “QV WLIシリーズ”では、QVシリーズが持つ画像測定用の光学ヘッドに加え、白色光干渉光学系を搭載した2ヘッドタイプの測定機です。本測定機の仕様を表2、外観を図3に示します。
表2 QV WLIシリーズの仕様
図3 QV WLIの外観(Hyper QV WLI 404)
2.3. QV WLIシリーズの特長
 “QV WLIシリーズ”は、CNC画像測定機能をサポートする画像光学ヘッドと高精度三次元形状測定機能をサポートするWLI光学ヘッドから成る。WLI光学ヘッドは、ミロー形干渉対物レンズを搭載しており、測定範囲内を一括測定し三次元形状データを取得することができます。得られた三次元形状データに対し、断面形状解析や輪郭照合等の各種解析を行うことができます。
 また、本体構造は、高精度化に適した、X 軸とY 軸が互いに独立した固定ブリッジ・ステージ移動構造を採用しています。
(1)WLI光学系用干渉対物レンズ
WLI光学系用の干渉対物レンズの性能は、干渉縞のコントラストを決定し、白色光干渉光学系による測定において、主要な構成要素の一つです。
 “QV WLIシリーズ”では、当社が長年培って来た光学技術を結集した、自社開発のミロー形干渉対物レンズを搭載しています。本干渉対物レンズは、当社の観察顕微鏡用FS対物レンズで定評のある無限遠補正光学系をしており、長作動距離を確保しつつ、色収差補正状態が良好な、プランアポクロマート設計となっています。
表3 WLI光学系用干渉対物レンズの仕様
(2)ハイブリッド測定
 “QV WLIシリーズ”の特長が最大限に発揮されるのは、ICパッケージなどの個片化前の大判工程においての測定です。画像光学ヘッドにより、測定サンプルのアライメント設定、パターン寸法測定、測定箇所の位置決めを行い、WLI光学ヘッドによって、三次元形状測定を行うことができます。
 この様に座標と三次元形状を1台で測定することにより、測定サンプルの段取り替えロスを減らすことができ、高スループット測定が可能となります。また、測定対象物も、微細なものから大形なものまで対応可能です。
 最大で600mm(X軸)×650mm(Y軸)×240mm(Z軸)のステージサイズをラインアップしており、ロングストローク測定を必要とする大形サンプルにも対応することができます。
2.4. QV WLI による測定事例
 WLI 光学ヘッドを使用した測定例を示します。
(1)サブマイクロメートルの高精度三次元形状測定
 ラインアンドスペースサンプル(材質:Si)の測定例を図4に示します。パターン寸法は、線幅10μm、高さ10μmです。この様に微細且つアスペクト比の高い測定サンプルの三次元形状の取得が可能です。図5は、任意の断面を抽出し、二次元形状解析(幅と高さの解析)を行った例です。
図4 ラインアンドスペースサンプルの測定例
図5 断面形状解析例
(2)様々な表面性状の高精度三次元形状測定
 微細金属加工面とマイクロレンズアレイの測定例を図6と図7に示す。微細金属加工面は、100μmピッチのサイン波形状をもつ測定サンプルであり、マイクロレンズアレイは、直径8μmのレンズがアレイ状に並んだ測定サンプルです。両測定結果が示すように、三次元形状の取得が可能であり、金属表面から透明体表面まで、様々な表面性状サンプルの三次元形状測定が可能です。
図6 微細金属加工面の測定例
図7 マイクロレンズアレイの測定例
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