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NEW TECHNOLOGY TREND
マイクロメータの常識を覆した次世代形
デジマチックマイクロメータ“カンタマイク”
研究開発本部 商品開発部 課長 林田 秀二

1. はじめに
1772年 ジェームス・ワットが卓上マイクロメータを発明して以来、全世界で使用されているマイクロメータの構造のキーポイントは「ねじによる拡大機構」です。このシンプルな構造を長年に亘り継承している事で、この「ねじ」がマイクロメータの精度及び操作性を決定付ける重要な機械要素となっています。一般的にマイクロメータのねじピッチは0.5mm(インチ読みのマイクロメータでは0.635mm)で、マイクロメータのスピンドルの直径に対する標準的なねじピッチであり、シンブル1回転でスピンドルがねじピッチ分移動します。今回ご紹介するカンタマイク(図-1)は、ねじピッチ 2.0mmを採用し、シンブル1回転でマイクロメータのスピンドルが2.0mm移動するクイック測定を実現し、従来の マイクロメータの常識を覆した次世代形のデジマチックマイクロメータとして2007年にリリースされました。
図-1. カンタマイク MDE-25M
[主な仕様]
2. マイクロメータのこれまでの課題
一般的に測定工具と呼ばれるマイクロメータ、ノギス及びダイヤルゲージといった製品の中でマイクロメータは最も手軽に1マイクロメートルオーダの高精度測定ができる測定器であることは良く知られています。反面、キー部品にピッチの細かいねじを使用しているため他の測定器に比べ測定効率が劣ることや、より正確な測定のためにはある程度の測定スキルが要求されること等が課題となっていました。ミツトヨは、1981年に最小表示量0.001mmのデジタル式マイクロメータを発売以来、デジタルでもねじ式のマイクロメータが主流となっていましたが、1995年に1回転でスピンドルが10mm進むスピンドル直進式のクイックマイクロ(MDQ)を開発し、初心者でも簡単に使用でき、マイクロメータでの測定効率向上に貢献し現在でも好評をいただいています。しかしながら、測定精度やスピンドルの保持力に起因する測定値の保持安定性という面では、測定効率向上のためスピンドルにねじを使用しないスピンドル直進式よりねじ式の方が有利と言うように、使用用途により使い分けされてきました。そこで、その両方の特長を兼ね備えたマイクロメータとして開発されたのがねじピッチ2mmのカンタマイクです。
表1 デジマチックマイクロメータ仕様比較
3. カンタマイクの特長
カンタマイクの最大の特長は、一般的なねじピッチ0.5mmのデジマチックマイクロメータMDC-MJ/PJと同一の本体寸法でねじピッチ2mmを実現している点にあります。従来から1mmピッチのマイクロメータは存在していましたが、ねじピッチに比例してねじの直径も大きくなり、本体が大形化してしまうという欠点がありました。当然2mmリードを一般的な並み目ねじで製作した場合には、ねじの直径はM14〜M16相当(図-2)となり本体寸法がさらに大形化してしまうことは言うまでもありません。さらに、目盛式のマイクロメータで従来と同様に0.01mm読みの目盛を搭載しようとすると200分割の目盛が必要となります。従来と同様に目盛を確実に読み取るためには、図-3のように巨大な目盛付きシンブルが必要となり、実用に耐える大きさではないことがお分かりいただけると思います。ミツトヨは高精度なハイリードねじを加工する技術と、新たに構築したねじ評価技術、新開発の高分解能センサによりこの課題を解決し、デジタル式でしか成し得ない画期的なマイクロメータを実現しました。
図-2. 2mmピッチねじ使用時のイメージ
図-3. 200分割目盛例
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