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CNC画像測定機の最新機能と微細加工測定物への適用事例
営業技術部 遠藤 敏幸

ミツトヨでは、CNC 画像測定機QV(クイックビジョン)シリーズを1986年から製造・販売しています。画像測定機というと電子部品や半導体部品の測定に多用されていると考えがちですが、近年では微細化、高精度化が進む機械加工の品質管理にも一役買っています。また、画像測定機は三次元測定機と異なり、プローブを測定物にアプローチする動作が不要で、瞬時にカメラに大量の情報を入手できることから高スループットな測定機です。測定のスループットを上げることは、全数検査対応や抜取りn数を増やすことで品質管理向上につながり、またコストダウンのために、測定に工数をかけたくない昨今の事情にマッチしています。
ここでは、CNC 画像測定機の最新機能と微細加工測定物への適用事例を紹介します。

超高精度CNC画像測定機UQV
今回、高精度な精密加工部品および精密金型の寸法管理に最適な超高精度CNC画像測定機 “ULTRAQV404-PRO” (以下、UQV)をリニューアルしました。 写真1 にUQV の外観を、表1 にUQVの主な仕様を示します。
写真1 超高精度CNC画像測定機 ULTRA QV404-PRO
次に、UQVに採用した高精度化の技術について紹介します。
(1)固定ブリッジテーブル移動構造
UQVに採用した高精度機に適した固定ブリッジテーブル移動構造は、X軸とY軸を完全に独立させた構造で、各軸が他の軸の運動精度に影響を与えにくい特徴がある。また、X軸、Y軸には堅牢で、熱安定性の高いグラナイトをガイドに採用しています。
表1 ULTRA QV404-PRO の主な仕様
図1 自己吸引型エアパッド
(2)自己吸引型エアパッド(図1)
UQVは、運動性能向上のため三次元測定機で培った静圧空気軸受を採用しています。このうちY軸には、自己吸引型と呼ばれる特殊なエアパッドを使用し、浮上と同時に負圧による真空領域を設けることで吸着力を発生させています。 通常のエアパッドに比べ、Y軸の高剛性化とステージの軽量化を同時に実現し、安定したステージ駆動が可能となりました。
(3)高精度高分解能スケールの搭載
UQVの各軸の測長系には、自社製最小表示量0.01μmのリニアエンコーダを搭載しています。このリニアエンコーダの材質には、熱膨張係数がほぼゼロの結晶化ガラスを使用しており、測定環境における熱的変動の影響を最小限に抑えています。
(4)温度補正機能(工場オプション)
従来、UQVのような超高精度の画像測定機を使用するには、温度を厳密に管理した恒温室が必要でしたが、本機は温度補正機能を工場オプションとして設定しています。この温度補正機能は本体に内蔵された温度計ユニットで各軸の温度を読み取り、本体の伸縮量を計算して補正を行なうため20℃± 2℃での精度保証が可能となりました。
また、測定物に温度センサを当てることにより、リアルタイムに20℃の寸法に換算した測定結果を求めることができます。
次に、温度補正機能オプション搭載機の精度保証環境を紹介します。
 ・精度保証温度範囲:20℃± 2℃
 ・温度変化:0.5℃ /h
 ・温度勾配:1℃ /m

高精度非接触高さ測定
CNC画像測定機の導入メリット一つとして、非接触で高精度な高さ測定が可能であることが挙げられます。クイックビジョン(QV)は画像オートフォーカス(自動焦点検出移動機能)でZ軸の精度保証が可能で、標準ソフトウェアです。
“QVPAK” には多彩なオートフォーカス機能を標準装備しています。
一般的な “サーフェスフォーカス” のほか、落射照明の光路内にスリットを差し込み、鏡面や透明体でもフォーカスが可能な “パターンフォーカス” やC面取り部の高さ測定が可能な “エッジフォーカス” など測定場所に併せて選ぶことができます。これらの画像フォーカスは任意にフォーカスの範囲設定が可能で、広域で画像フォーカスを行なえば、平滑化の効果により表面性状の影響を受けにくい測定が可能です。
また、最新のソフトウェアでは、画面内を最大1344点に分割して高さデータの取得が可能な“マルチポイントオートフォーカス”機能があり、微細な段差や平面度を高能率に測定できます(写真2)。
さらに、クイックビジョンには非接触変位センサを搭載した “ハイブリッドモデル” もラインナップしており、これらのモデルでは三次元の形状測定や擬似粗さ測定が可能です。
写真2 マルチポイントオートフォーカス
オンラインティーチングソフト
通常、CNC画像測定機のパートプログラミングは、ジョイスティックを操作により移動し、測定箇所を特定し、“ツール”と呼ばれるエッジ検出領域を指定する作業が必要です。ところが、ジョイスティックの操作に不慣れだったり、図面と見比べながら測定箇所を特定する場合には、パートプログラムの作成に思わぬ時間がかかってしまうことがあります。オプションソフトの「QV-3DCAD-OnLine」を使用すれば、画面上のCADモデル要素をクリックするだけでステージ位置情報の特定とツール配置が可能で、ティーチング作業の大幅な削減ができ検査工程の リードタイム短縮が可能となります。
この3DCADモデルを用いたパートプログラム作成機能は、接触式三次元測定機ではすでに一般的な機能になっています。ところが、画像測定機の場合は、3DCADモデルだけでは照明条件やエッジ検出の“しきい値”を決定できないことが課題でした。このためオフラインでプログラムを作成するには、あらかじめ試作サンプルなどを用いて照明条件などを確認しておくか、作成したプログラムを稼働させる前に、時間を掛けてチェックをしなければなりません。
「QV-3DCAD-OnLine」は、この問題を解決するためQV本体とCADティーチングソフトをオンライン接続させ、作成したプログラムパスは即座に動作確認ができるようにしています。これにより、照明条件やエッジ検出の “しきい値” などは実際の測定物に合わせてプログラム作成が可能で、完成後の動作チェックは最小限に抑えられます。
QV-3DCAD-OnLine の特長を次に列記します。
①画像測定の他、タッチトリガープローブ測定や非接触変位センサ測定のティーチングが可能
②自動干渉チェック機能により、測定物と対物レンズやプローブスタイラス間の干渉や衝突を未然に回避したプログラム生成が可能(写真3)
③ “シミュレーション機能” により測定経路や、擬似ビデオウィンドウで“エッジ検出” ツールの事前チェックが可能(写真4)
写真3 自動干渉チェック
写真4 シミュレーション機能
④QV本体とオンラインで動作するため、生成した“プログラムパス”は即座に動作の確認が可能で、照明条件やエッジ検出の“しきい値”などは実際の測定物に合わせてプログラム作成が可能
⑤設計値に応じた公差を “普通公差テーブル” から自動的に引用可能
⑥非接触変位センサの“スキャニングルート”を自動生成可能(写真5)
⑦測定結果リスト、グラフィックス、形状解析結果を統合して、印刷可能な“レポート作成”機能を標準装備(写真6)
写真5 非接触変位センサ スキャニングルート
写真6 レポート作成機能
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