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新たな三次元座標計測への道
計測ソリューションチーム 主席 村岡 芳和

三次元座標計測技術
三次元座標計測技術とは、自動車部品や航空機部品に代表されるような比較的複雑な形状を持った部品からXYZの座標値を高精度に獲得し、所定の解析処理を行い、製品の品質を計画されたレベルまで向上させるための一連の技術であると言えます。最近ではリバースエンジニアリング、意匠デザイン、設計、試作、量産等といったさまざまなプロセスで必要とされるため、「物づくり」のための基幹技術となっています。
三次元座標計測技術は、次のような基礎技術の組み合わせにより成立している応用技術であると考えられます。
計測機器固有の静的、動的特性をふまえた機械設計技術
与えられた機械系に対する最適な制御技術
センサ、スケール、ロータリエンコーダ等の位置検出に関する技術とそれらの小形化、信頼性向上のための電子技術
空間誤差補正技術及び、温度変化による誤差補正技術
ソフトウェア技術(計測機本体を制御する部分、幾何学的計算を行なう部分、歯車評価等の特定アプリケーションへの対応、オフラインティーチング等の分野がある)
もちろんこれ以外にも設計ノウハウや、品質保証、値付けの技術、アフターサービス、その他が重要であることは言うまでもありません。
ここでは、三次元座標計測について、従来形三次元測定機の簡単な紹介、最近の市場ニーズとそれに応えるために開発した新商品について概略を解説します。

従来形三次元測定機
写真1 最初の三次元測定機
日本における三次元測定機の出現は1968年頃で、初期のものはXYZ座標をノギスのバーニヤのようなもので読み取る方式でした(写真1)。三次元座標計測技術は、まさに三次元測定機という「実機」の成長とともに進化してきたと言えます(写真2)。
超高精度三次元測定機LEGEXは常に世界最高精度を目指すということを目標に開発されたものです。このクラスの三次元測定機は設置環境の基準も比較的厳格なものになります。また校正のための基準器も特別に高精度のものが必要になります。
大形三次元測定機は大形の航空機部品や、重機部品、自動車ボディ、金型の精度評価に活躍しています。CARBstratoのデュアルアームシステムは三次元測定機の中で最大の測定物が測定できるシステムです。MACH-VやMACH-3Aは、現場対応形の三次元測定機で工作機械等が設置されている環境で高速測定をすることを目指して開発されたシステムです。従来形の三次元測定機はこのように、高精度の方向、大形機の方向、インラインの方法へと進化してきています。
写真2 三次元測定機の進化
最近の市場ニーズ
さまざまな方向へ進化してきた三次元測定機ですが、次のような部分で新たなユーザニーズが発生してきました。
(1) 高価な基礎工事や厳密な温度管理をしなくても使用できるものが欲しい。
(2) 測定対象物のあるところに測定機を運んで使用したい。
(3) 測定対象物の表面全体をデジタイジングしたい。
(4) 測定にかかる時間を短縮したい。
(5) 3D-CADデータを基準として測定評価を行ないたい。
(6) 機械加工前の素形材のレベルで全体形状、肉厚の把握を短時間に行いたい。
(7) 意匠デザイン・設計・試作・量産のあらゆる部分で活用したい。(そういうことができる機能が欲しい)
これらのニーズの背景としては、地球環境に関するする配慮から自動車がHEV, EV化する方向にあり、車体の軽量化が急務であることや、航空機の燃費向上のため機体に新素材が多用されるといったことがあります。
燃料の消費量を最小にするか、限りなくゼロにしたいという方向です。
そういった方向もキャッチアップするため三次元座標計測技術としては、今までの進化の方向とは異なった、「新たな道」を構築しなければならないという事態になりました。また、特にセンサ技術や誤差補正技術の向上と、最近のコンピュータ性能の向上により、「新たな道」に踏み出していく土壌も育ってきているものと判断されます。 
キーワードは「非接触測定」
「新たな道」に踏み出してくためには、三次元座標計測技術も「点測定」や、「要素測定」から、「面測定」や「面評価」に進化せざるを得ません。
つまり、ワークの品質管理をしたい部位から点を集めて平面、円筒等の要素計算をするという従来の機能に加え、表面全体を評価する機能も必要になってきたわけです。3D-CADでしか設計できないような自由曲面形状、複雑形状のワークが多くなってきた結果、測定側でも3D-CADでモデリングされた表面全体を評価したいというニーズが出てくるのは必然です。しかし、接触式のセンサで表面全体を評価しようとすると膨大な時間がかかってしまいます。従って、どうしても「非接触測定」をキーワードにして、さまざまな新しいニーズに応えていくしかありません。以下では、「非接触測定」をキーワードとした新しい商品について紹介します。
①SurfaceMeasure 606 (写真3)
三次元測定機用の「ラインレーザセンサ」で、従来の製品と比べて高いスキャニング速度と低価格を実現しています。通常のPH-10系の回転ヘッドに取り付けられるため、さまざまな方向(720方向)に姿勢変更でき、ワークのあらゆる部位にアクセス可能です。通常の接触式センサと同じツールチェンジ用の「オートジョイント」に対応しているため、接触式センサと自動交換を行い、連続して非接触測定を行なうことができます。
従来のラインレーザセンサではパウダーをスプレーする必要のあった光沢面や黒色等ほとんどのワーク表面性状(鏡面と透明体を除く)に対してパウダーレスの非接触測定を実現しました。
図1にSurfaceMeasure 606の仕様概略を示します。
写真3 SurfaceMeasure 606
図1 SurfaceMeasure 606仕様の概略
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