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NEW TECHNOLOGY TREND 33



ナノ計測に向けての計測技術


品質保証室 室長 山領 泰行
崎研究開発センタ 商品開発部 計測技術グループ
グループマネージャー 上田 守正

図1 公表されたPTBの技術レポート(PTB-F-50)の表紙
 ミツトヨはドイツ物理標準工学研究所(Physikalisch-Technische Bundesanstalt:以下PTB)が主催して2003年3月から2004年12月にかけて持ち回り形式で行われた、画像測定機による二次元パターンの比較測定に参加しました。
その結果がPTBの技術レポートPTB-F-50(図1)として公表されましたのでその一部をご紹介いたします。
図1 公表されたPTBの技術レポート(PTB-F-50)の表紙

1.目的

 この比較測定は画像測定機による二次元パターンの測定技術の水準を把握するとともに、次のような測定課題について、その測定性能を比較することを目的として行われました。

 1. 円弧の半径と中心点の距離
 2. 直線の交点の距離とその角度
 3. 円弧と直線の形状誤差

 比較測定に使用された参照仲介器は6インチサイズの石英ガラスマスク上のCr薄膜に形成された二次元パターンで、外観は図2に示すとおりです。
図2 二次元パターンの参照仲介器

図2
二次元パターンの参照仲介器


2.参加者

 この比較測定に参加した機関と使用した画像測定機及びその仕様は表1のとおりです。参加したのはPTBとドイツ国内を中心とした6企業の計7機関です。ミツトヨはUltra QV350を使用いたしました。PTBは比較測定の最初と最後に測定していますので、紹介する結果のデータは8機関分となっています。PTBのレポートでは表1を除き参加者名は全て匿名とされていますので、記事の中でミツトヨの社名があるところは全て弊社の補足です。また、基準値の測定にはLeica社のマスク測定装置LSM IPRO2が使用されました。測定結果は基準値との差として表されています。
ULTRA QV350-PRO

ULTRA QV350-PRO

表1 比較測定参加企業、使用測定機、性能

参加企業
測定機
仕様;指示誤差(μm)
Mitutoyo
UltraQV350
E1=0.3+L/1000
E2=0.5+2L/1000
Mycrona
Altera 601
E1=0.6+L/400
E3=1.6+L/300
OKM
UNI-VIS250
E1=0.7+L/500
E2=1.1+L/300
OGP
APEX100
E1(Z)=1.5+10L/1000
E2(XY)=1.5+2L/1000
PTB
VC IP HA 400×400
E1=0.5+L/500
E2=0.7+L/400
E3=1.5+L/300
View
Pinnacle
E1(Z)=1.5+L/50
E2(XY)=1.5+4L/1000
Werth
VC IP HA 400×400
E1=0.5+L/900
E2=0.7+L/600
E3=1.5+L/500

参照機関
基準測定機
基準測定機の不確かさ
Leica
LMS IPRO2
U(k=3)=0.035

3.測定内容

 二次元パターン(図3、4)の測定箇所は円弧の中心と2直線の交点のx、y座標及び円弧の半径と2直線の角度です。パターンは円弧と直角の明形状(凹)と暗形状(凸)の対称形から構成されており、測定機の性能差が出やすい形状となっています。例えば,同じ円弧でも一般的に透過照明では凸の円弧は大きく、凹の円弧は小さく測定される傾向にあり、その中心座標は変わりません。測定に偏りがあるとその影響は大きく出てきます。測定は5回の反復測定を行いその平均値を測定値とし,標準偏差をばらつきとしています。

図3 測定個所;二次元パターンの距離、点線はy方向基準線
図3
測定個所;二次元パターンの距離、点線はy方向基準線
基準線(点線):パターンの最初、最後と中央の赤く記された共通する最小自乗直線


図4 測定個所;二次元パターンの半径と角度
図4 測定個所;二次元パターンの半径と角度

4.結果

4-1 平均偏差

 図5には要素(x,y座標、半径、角度)ごとにそれぞれの参加者の測定結果の基準値からの偏差の平均値がプロットされています。横軸は各参加者で匿名になっていますが、3番がミツトヨです。以下のデータも参加者の名前は伏せていますが、同じ番号は同一の参加者です。なお、表1の順番とは関連がありません。
グラフの中に点線で示されている直線は基準値測定の不確かさで、この線より下にあればその測定は基準値と同等レベルで測定されているといえます。ミツトヨの結果はx方向の座標を除き基準値の不確かさを下回っています。

図5 測定の平均偏差
図5 測定の平均偏差 【x方向座標(●)・y方向座標(◆)・半径(▲)・角度(■)】

4-2 各測定結果の偏差

 図6から図9には個々の測定項目の基準値からの偏差をプロットしています。ミツトヨは参加者3ですから水色のプロットになります。それぞれのグラフに点線で基準値の不確かさが示してあります。参加者によっては大きく外れている結果もありますが、ミツトヨの結果はほとんどの点が基準値の不確かさの中に入っており、x方向も大きく外れた点はありません。

図6 x方向座標
図6 x方向座標

図7 y方向座標
図7 y方向座標

図8 半径
図8 半径

図9 角度
図9 角度

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