高品質と技術力を支える匠マイスター制度
ミツトヨの高品質と技術力を支える匠マイスター制度
連綿と伝承されてきたミツトヨの匠の技。その技術力が生み出す高品質は独自の制度によって支えられてきました。新たな技能伝承の仕組みである匠マイスター制度創設の背景と役割、そして伝承すべき匠の技とはーー

師匠制度を進化させた匠マイスター制度
ミツトヨ製品の高い測定精度を支える固有技能を長い時間をかけて調査・分類した結果、その数は600以上にのぼることがわかりました。
ほとんどの技能は機械化・標準化などによって属人性を排除し、安定した継承が実現しています。しかし、そのうちの7%は個人の卓越した技能(=匠の技)が必要です。
さらに、匠の技能の中でも4%は機械化が不可能なダントツの技能です。そのダントツの技能を後継者へ継承し、会社ひいては社会への貢献を果たそうとする仕組みが匠マイスター制度です。
技能の研鑽を進めるためには、会社としても全面的にサポートしています。

匠マイスター制度で伝承される“ダントツの技能・技術”とは
ミツトヨは「キーテクノロジーは自社で持つ」という方針のもと、高度な技術・技能を自社で開発・保有しています。
匠の卓越した技能は、自社開発した内製設備に付加価値を与える点で大いに活用されています。
また、超高精度三次元測定機や石定盤など特注品の製作においても、仕上げや高度精密加工など匠の技は必要不可欠です。
現在では匠の技が必要ではあるものの、加工、組立、検査において将来的に技術化(=機械化・デジタル化)が見込める技能については、匠の技の技術化に積極的に取り組んでいます。
残すべき技能
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匠マイスター制度により伝承する必要な技能
ミツトヨ独自の内製設備や高精度な商品に付加価値を与えるダントツな技術
仕上げ、高度精密加工、精密組立・調節、精密測定、材料、保全
残さざるを得ない技能
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将来、技術化を目指す技能
生産を継承するためには必要な技能であり、技能から技術へ置き換えるには、技術難易度が高いので、技能伝承が必要な技能
加工、組立、検査
匠マイスターが果たす使命
匠マイスターは各工場、匠委員会、経営層の選考プロセスを経て任命されます。任命された匠マイスターには、次に示す3つの使命が与えられます。
匠マイスターの使命と心得
- 1. 後継者の育成
- 指導者として立派であれ!
- 俺の技を盗めは、ダメ→「盗む技能」から「教える技能」へ育成方法を変革する
- 2. 会社並びに社会への貢献
- 販売への貢献とともに技能者の育成を通じて社会へ貢献せよ!
- 社外の技能者育成にも努める
- 3. 技能の研鑽
- 自身の技能を常に磨き上げ、さらに上を目指すべき!
- デジタル技術の手本になれ!=常に技術の一歩先を行くこと!
匠マイスターには、経営陣に対して年に1回の活動報告が義務付けられています。匠マイスターによる後継者への伝承活動はどのように行われたかを経営陣が評価をすることで適正な制度運用に努めています。