投影機の基礎知識

正立正像と倒立逆像

正立正像とは、スクリーン上の投影像が載物台上の測定物と、上下・左右の向きおよび移動方向が全て一致する像のことをいいます。また、下図のように上下・左右の向きおよび移動方向が逆の場合を倒立逆像といいます。

作動距離

焦点を合わせたときの、投影レンズ先端から測定物上面までの距離(空間)のことをいいます。
本カタログでは符号のLが相当します。

倍率精度

ある呼び倍率をもつ投影レンズで、基準となる寸法(基準スケールの使用長さ)をスクリーンに拡大投影させたとき、その投影像の実測値と基準となる寸法との比率のことをいい、下記の式で算出できます(測定精度とは異なります)。

照明方法

  1. 透過照明...測定物を透過光で観察する照明方法で、特に、輪郭部を拡大投影・測定する場合に使用します。
  2. 垂直反射照明...測定物の表面に垂直光を当てる照明方法で、表面形状の観察・測定する場合に使用します
    (ハーフミラーもしくはハーフミラー内蔵式投影レンズを併用)
  3. 斜め反射照明...測定物の表面に斜めから光を当てる照明方法で、像のコントラストが強調され立体的かつシャープに観察できます。ただし、寸法測定する際、誤差が生じやすくなるため注意が必要です。
    (斜め反射鏡併用、PJ-H30シリーズは本体標準)

視差

読み取りに際し、視線の方向によって生ずる誤差のことをいいます。

視野直径

スクリーン上に映し出される測定物の直径・範囲のことをいいます。

テレセントリック光学系

テレセントリック光学系は、像側焦点位置に絞りを設けることで、主光線が光軸と平行になる原理を用いたものです。光軸方向にピントをずらしても、像がボケるだけで像自体の大きさが変わらないことが特長です。
測定投影機・測定顕微鏡では、絞りを置く代わりに、コンデンサレンズの焦点位置にランプのフィラメントを置いて、平行光線で照明して同様の効果をもたせています。(下図参照)