電気マイクロメータの基礎知識

プローブ

長さの変化量を変換するもので、コイルとコアの間に生ずる電気的変化を利用しています。

てこ式と平行移動式

レバーヘッドの測定方式には、「てこ式」と「平行移動式」があります。
・「てこ式」:測定子が板ばねを支点にして円弧運動するため、測定範囲によっては誤差が大きくなる
・「平行移動式」:測定子が平行移動するため、円弧誤差はない。

プリトラベル

電気マイクロメータ用プローブの測定子が、フリーの状態から0を指示するまでの距離をいいます。

測定力

測定力とは、測定時に測定物に作用する力のことをいいます。
電気マイクロメータの指示値が0の点における測定子が、測定物に作動する力をニュートン(N)で表します。

デジマチックコード

ミツトヨの各種データ処理装置と測定器の出力とを結ぶための通信形式で、ミツトヨ商品専用のフォーマットとなっています。

オープンコレクタ出力

トランジストのコレクタ出力により、外部の負荷を駆動する信号です。

比較測定

直線範囲が狭い測定器で、直線範囲以上のサイズを正確に測定したい場合に、測定物の基準寸法となるサイズの基準ゲージを作り、基準ゲージの寸法と測定物がどれだけ差があるかを比較測定し、本来の寸法を知る方法です。

直線性

プローブに与えられた変位量に対し、比例した表示をするかどうかの割合です。

0(ゼロ)点

測定しようとする品物の基準となる点をいい、比較測定においては基準ゲージの基準値をいいます。

感度

電気マイクロメータのアンプの入力信号に対する出力信号の比をいいます。与えられた変位量通りの表示をした場合、正常な感度といえます。

公差設定

測定した値が公差内にあるかどうかで分類する場合、その公差値を電気マイクロメータにセットする必要があります。 この限界点のセットを公差設定といいます。

レバーヘッドの角度

測定前に、プローブの感度調整が完了していることを必ず確認してください。
また、測定子の傾きを変更すると測定値に差が生じます。そのため、測定は測定子の傾きを感度調整した状態で行う必要があります。難しい場合は、角度をつけない状態(角度=0°)で感度調整して、測定時に、実際の測定子の傾きに応じて測定値を補正(測定値×補正係数)してください。

Tips 補正係数による補正は、感度調整した場合に比べて精度が劣ります。

角度:θ 測定面との距離:L※1 補正係数
1.00
10° 約3.1 mm 約 0.98
20° 約8.8 mm 約 0.94
30° 約13.9 mm 約 0.87
40° 約18.3 mm 約 0.77
50° 約21.6 mm 約 0.64
60° 約23.8 mm 約 0.50

※1:出荷時に装着された球径ø2の超硬測定子を使用している場合の値です。球径ø1(ø3)の超硬測定子をお使いの場合には、ø2との球径の差の1/2を減算(加算)してください。