リニヤゲージの基礎知識

ヘッド

ストレートステムとナット付ステム

リニヤゲージヘッドを保持する部分で、形状は「ストレートステム」タイプと「ナット付きステム」タイプに分類されます。取付け方法は、「ナット付きステム」タイプが簡単で確実に固定できます。「ストレートステム」タイプは、割り締めなどの加工が必要ですが、適用範囲が広く、最終取付け時に前後方向へ多少位置調整ができる利点があります。ただし締め過ぎには注意が必要です。

測定力

測定時に測定物に作用する力で、リニヤゲージヘッドの場合、ストロークエンドの位置における力をニュートン(N)で表します。

比較測定

ゲージヘッドの測定範囲以上を測定する場合、測定物の基準寸法となるマスタゲージをつくり、この寸法と比較して測定物がどれだけ差があるかを測定し、本来の寸法を知る方法です。

IP保護等級

IP54保護等級

種類 レベル 内容
人体の保護および
異物に対する保護
5:塵埃保護 有害な塵埃に対する保護
水に対する保護 4:防まつ形 いかなる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響のないもの

IP66保護等級

種類 レベル 内容
人体の接触および
異物に対する保護
6:塵埃密閉 塵埃の侵入に対する保護
完全な接触保護
水に対する保護 6:耐水形 いかなる方向からの水の直接噴流を受けても内部に水が入らないもの

ゲージヘッド取付け時の注意

  1. ステム部を測定装置の取付け部あるいはスタンドなどに差し込んで固定します。
  2. ステム部を強く締め過ぎますと、作動に支障をきたす恐れがありますのでご注意ください。
  3. ステム部にねじを直接当てて固定する取付け方法は絶対にお止めください。
  4. ステム部以外での固定方法は絶対にお止めください。
  5. ゲージは測定面に対して垂直になるように取り付けてください。傾けて取り付けますと測定に誤差を生じます。
  6. ケーブルを通してゲージに力が加わらないようにご注意ください。

LGHシリーズ取付けの注意

LGHシリーズの固定は、専用のスタンドやその他の装置にステムを差し込んで行います。

  1. 固定用穴は測定方向に並行になるように加工してください。傾いて取り付けていると測定誤差の原因となります。
  2. 固定の際に、ステムを強く締め付けると摺動が悪くなることがありますので、締め付けないようにしてください。
  3. LGHシリーズを移動するような測定方法の場合、ケーブルが引っ張られたり、本体に無理な力が加わらないように取り付けてください。

表示部

ゼロセット

任意の位置で表示値を0(ゼロ)にできます。

プリセット

表示部に任意の数値をセットし、その数値からの計数を行います。

ディレクション切り換え

ゲージの移動方向を(+)/(−)方向のいずれかに設定できます。

MAX、MIN、TIR設定

測定中の最大値、最小値、(最大−最小)値をホールドします。

公差設定

測定した値が公差内にあるかどうかで分類する場合、その公差値PGを各種表示部にセットする必要があります。この限界点のセットを40公差設定といいます。

オープンコレクタ出力

トランジスタのコレクタ出力により外部の負荷を駆動する信号です。

デジマチックコード

ミツトヨの各種データ処理装置と測定器の出力とを結ぶための通信形式で、各種統計演算処理、ヒストグラムなどが作成できるデジマチックミニプロセッサDP-1VA LOGGERへの接続が可能です。

RSリンク機能
EHカウンタを複数台接続し、多点測定を実現することが可能です。

BCD出力

2進化10進表現によりデータを出力する方式です。

RS-232C出力

EIA規格によるシリアル通信インターフェースでデータを双方向で伝送できます。伝送手順については各機器の仕様をご確認ください。

EHカウンタの場合

最大10台までのカウンタを接続し、最大20チャンネルまでの多点測定が可能です。
接続には専用のRSリンク接続ケーブルNo.02ADD950(0.5 m)、No.936937(1 m)またはNo.965014(2 m)を使用します。
(RSリンク接続ケーブルはシステム全体で最大10 mです。)

測定例