リニヤゲージの基礎知識
ヘッド
ストレートステム
「ストレートステム」タイプは、取付けに割り締めなどの加工が必要で、締め過ぎないように注意する必要があります。適用範囲が広く、最終取付け時に、前後位置を微調整できます。

スラストステム
「スラストステム」タイプは、ステム部に取り付ける場合、ステム締付機構が不要です。平板に穴開けすることで、ナット付きステムとして直接取り付けることができます。

測定力
測定力とは、測定時に測定物に作用する力のことをいいます。リニヤゲージヘッドの場合、ストロークエンドの位置における力をニュートン(N)で表します。
ゲージヘッド取付け時の注意
- ■ステム部を測定器の取付け部あるいはスタンドなどに差し込んで固定します。
- ■ステム部を強く締め過ぎると、作動に支障をきたすおそれがあるためご注意ください。
- ■ステム部にねじを直接当てて取り付けないでください。
- ■固定は、必ずステム部で行ってください。
- ■ゲージは測定面に対して垂直になるように取り付けてください。傾けて取り付けると測定に誤差が生じます。
- ■ケーブルを通してゲージに力が加わらないようにご注意ください。
LGHシリーズ取付けの注意
LGHシリーズの固定は、専用のスタンドやその他の装置にステムを差し込んで行います。

- ■固定用穴は、測定方向と平行になるように加工してください。LGHシリーズが傾いた状態で取り付けられると、測定誤差の原因となります。
- ■固定の際に、ステムを強く締め付けると摺動が悪くなることがあるため、過度に締め付けないようにしてください。
- ■LGHシリーズを移動するような測定方法の場合、ケーブルが引っ張られたり、本体に無理な力が加わったりしないように取り付けてください。
測定子の交換
測定子を交換する際は、必ず、付属の測定子交換用キースパナを使用して、スピンドルを固定してください。スピンドルを通してPGセンサ内部に力が加わると、センサの破損や作動不良の原因となるおそれがあります。
取外し手順:
- 1.付属の測定子交換用キースパナをスピンドル先端のスパナ掛けに当て(下図参照)、スピンドルが回らないように固定する。
- 2.柔らかい布で測定子を包む。
- 3.布の上から、ペンチなどで測定子を挟み、取り外す。
取り付けは、取り外しと逆の手順で取り付けてください。

表示部
ゼロセット
任意の位置で表示値を0(ゼロ)にできます。

プリセット
表示部に任意の数値をセットし、その数値からの計数を行います。

注:下死点から0.2 mmは精度保証対象外のため、スピンドルを0.2 mm以上持ち上げた位置でゼロセットしてください。
ディレクション切り換え
ゲージの移動方向を(+)/(−)方向のいずれかに設定できます。

MAX、MIN、TIRモード
測定中の最大値(MAX)、最小値(MIN)、振れ幅(TIR)をホールドします。

公差設定
測定値に対し公差値を自由に設定し、選別・判定が可能です。3段公差、5段公差が選択できます。
オープンコレクタ出力
トランジスタのコレクタ出力により外部の負荷を駆動する信号です。
デジマチックコード
ミツトヨの各種データ処理装置と測定器の出力とを結ぶための通信形式で、ミツトヨ商品専用のフォーマットとなっています。
BCD出力
2進化10進表現によりデータを出力する方式です。
RS-232C出力
EIA規格によるシリアル通信インターフェースで、データを双方向に伝送できます。伝送手順については、各機器の仕様をご確認ください。
CC-Link
三菱電機株式会社が開発した新しいオープンフィールドネットワークで、Control&CommunicationLinkの略称です。制御と情報を同時に扱うことができる高速フィールドネットワークになります。
PROFINET
PROFINETは、PROFIBUS&PROFINETInternationalで管理され、仕様が公開されている産業用のEthernet規格です。
EtherNet/IP
EtherNet/IPは、ODVA(OpenDeviceNetVendorAssociation,Inc.)で管理され、仕様が公開されている産業用のEthernet規格です。
EtherCAT
EtherCATは、ドイツのBeckhoffAutomationGmbHが開発したEthernetをベースとした高速で高効率な通信を実現する産業用オープンネットワークシステムです。
測定例
