テストインジケータ(てこ式ダイヤルゲージ)の正しい使い方と注意点
機械加工や組立工程など、精密な位置関係や微小変位の把握が求められる現場で広く使用されている、テストインジケータ(以下、てこ式ダイヤルゲージ)。狭い箇所や側面へのアクセス性に優れ、低い測定力で高感度な測定が可能な比較測定器として、多様な用途で活用されています。本記事では、その特徴や構造、正しい使い方と注意点について、わかりやすく解説します。
てこ式ダイヤルゲージとは?
一般的なダイヤルゲージでは測れない狭い場所や深い場所を測定するのに最適
てこ式ダイヤルゲージは、測定子(スタイラス)が「てこ」の一部として働き、回転運動を拡大して指針に表示する比較測定器です。主に回転体の振れ測定や平行度・平面度評価、基準との差分を確認するための比較測定の用途で使用されます。
一般的なダイヤルゲージと比べて以下の特徴があります。
- 測定力が小さい(ワークへの影響が少ない)
- 小型で狭い箇所の測定に適する
- 測定子の角度が調整可能(約200°以内)
各部名称と役割
主な構成要素は以下の通りです。測定子の動きが内部機構に伝わり、指針として表示されます。また、測定子の角度は測定状況に応じて調整可能です。
測定例 振れ・比較測定、平行度の評価
てこ式ダイヤルゲージは、加工における振れや基準との比較測定、平行度の評価に使用します。わかりやすいように測定例を写真と図で紹介します。
「振れ」の測定
回転体の側面や外径に測定子を当て、回転させたときの指針の振れ幅を読み取ることで、振れ量を評価します。
平行度の測定
平面度が保証されている精密定盤面を基準に、測定物の面の平行度の評価に使用します。
比較測定
基点からの寸法値を求めます(例:目量0.01 mm 測定範囲0.8 mm)
てこ式ダイヤルゲージの正しい使い方と注意点
ここでは、てこ式ダイヤルゲージの使い方と注意点を解説します。
1.各部の作動状態
まず、使用前には測定子を指で軽く動かし、その動きに応じて指針が滑らかに連動することを確認します。動きが引っかかる場合や、戻りが遅い場合は内部機構に異常がある可能性があり、正確な測定ができません。
また、測定子が軸受部に確実に固定されていることもあわせて確認し、緩みがない状態であることが重要です。
2.ステム、アリ溝付ステムの緩み
ステム、若しくはアリ溝付ステムが本体に固定されていることを確認します。ステム付仕様の場合、ステムの緩みの確認します。
測定範囲の中央で基点を合わせると、想定外の寸法が出た場合でも測定範囲内で測定値を得ることができます。
3.取付姿勢
測定子の取付角度は、測定方向に対し直角にします。てこ式ダイヤルゲージ本体は、正面から見て傾きが無いように固定します。
4.取り付け角度
てこ式ダイヤルゲージの測定子は、変位量の測定方向に対し90°の姿勢になるように取り付けます。測定方向に対して角度が付いていると、目盛板の読み(指針が示す測定値)に誤差が含まれてしまいます。
5.測定子の長さ
てこ式ダイヤルゲージ本体は機種により測定子の長さが決まっています。
異なる長さの測定子を使用した場合、測定結果が大きく異なるとともに、精度にも影響が生じます。測定子はメーカー、形式によって決められた長さのものを使用します。
6.使用後のお手入れ
測定子の汚れは、乾いた布かアルコールを少量含ませた布で拭き取ります。その際、測定子には注油不要です。油が固着したり、埃を巻き込んだりして作動不良になる恐れがあります。
覆い板の汚れは、柔らかく乾いた布か、中性洗剤を少量含ませた布で拭き取ります。中性洗剤以外は使用しないでください。
精密測定機器の正しい理解と適切な運用ノウハウ
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