デプスゲージの基礎知識

デプスゲージの性能

デプスゲージの日本工業規格として、JISB7518が2018年に改正発行され、デプスゲージの性能を表す「器差」が「指示PG誤差」へと変更されています。
デプスゲージの指示誤差としては、部分測定面接触誤差がもっとも重要な指示誤差といえます。また、指示誤差は、最大許容誤差(MPE)によって制限されます。つまり、MPEは許容値と同じ意味を持ちます。2018年のJIS規格変更点を含め、代表的な検査の内容を説明します。

部分測定面接触誤差の最大許容誤差 EMPE【JIS B 7518:2018】

デプスゲージにおける部分測定面接触誤差は、深さ測定に適用される指示誤差です。
表1に、部分測定面接触誤差の指示値の最大許容誤差EMPEを示します。
精密定盤上に置いた2個のブロックゲージ、またはそれと同等以上のゲージ類の測定面をベース測定面に密着させた状態で、本尺測定面を精密定盤に当てたとき(図1)、デプスゲージの指示値からゲージの寸法を減じることで、深さ測定の最大許容誤差EMPEを求めることができます。

表1 一般的なデプスゲージにおける部分面接触誤差の最大許容誤差 EMPE

単位:mm

測定長 目量,最小表示量または最小読み取値
0.05 0.02または0.01
50以下 ± 0.05 ± 0.02
50を超え 100以下 ± 0.06 ± 0.03
100を超え 200以下 ± 0.07
200を超え 300以下 ± 0.08 ± 0.04
300を超え 400以下 ± 0.09
400を超え 500以下 ± 0.10 ± 0.05
500を超え 600以下 ± 0.11

注記 EMPEは,真直度,測定面の平面度および基準面との平行度によって生じ る測定誤差を含む。

図1 部分測定面接触誤差の測定