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USER REPORT
フォトニクスと医療バイオの融合分野への飽くなき挑戦が先進医療を切り拓く
奈良県生駒市 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科 様
物質創成科学研究科 博士(工学) 太田 淳 教授

所在地 奈良県生駒市高山町8916-5(けいはんな学研都市)
設立 1991年10月
事業内容 光と物質の相互作用を基礎として物質科学を捉え直した「光ナノサイエンス」に関わる教育研究
URL http://www.naist.jp/

今回のミツトヨレポートは、情報科学、バイオサイエンス、物質創成という3つの先端科学分野の研究および研究者の育成に取り組んでいる、学部を置かない大学院だけの大学、奈良先端科学技術大学院大学を訪問しました。同大学は、ノーベル医学・生理学賞を受賞した山中 伸弥 教授がかつて在籍し、iPS細胞の開発を成功させた研究の場としても知られています。
一歩先を行く欧米の技術に対抗する独自技術に世界が注目
 今回訪問したのは、奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大)物質創成科学研究科様です。奈良先端大は、研究科の垣根を越えた融合研究の推進を特色の一つとして打ち出していますが、光機能素子科学研究室が取り組んでいるのも半導体集積回路技術とフォトニクス(光工学)技術を融合したフォトニクスLSI技術の医療バイオ分野への応用という融合分野であり、同大のバイオサイエンス研究科や他大学の医学部との連携のもとに研究活動を行っています。
レーザ加工機に装着された
ミツトヨの長作動距離の対物レンズ
 同研究室が研究開発を進めている代表的技術には、視覚に障がいを持つ人の眼球に半導体チップを埋め込み、網膜を電気刺激して光覚(光によって受ける感覚)を再生する人工視覚システムや、マウスの脳の神経活動を計測するイメージングデバイスなどがあります。特に人工視覚システムは、この分野をリードする欧米の主流技術と比べて実用面に優位性がある独自技術です。研究は大阪大学医学部などとの共同研究として行われており、注目を集めています。
「臨床の先生と密接に連携して人工視覚に取り組んでいる組織は、おそらく我々が、日本で唯一です。また、人工視覚システムの関連技術を研究している機関はほかにもありますが、半導体チップの設計・実装から生体内埋植の検証に至るまで一貫して取り組んでいる研究機関は、世界的にも珍しいと思います」と、物質創成科学研究科の 太田 淳 教授は語ります。
高機能と操作性が一体になったMF-UB1010Cを高頻度で活用
物質創成科学研究科
博士(工学) 野田 俊彦 助教
 デバイスが生体に適応することや、長期間、生体内で正確に機能することなど、人工視覚システムや脳内埋植型イメージングデバイスには要求性能を満たすことが厳しく求められます。しかしながら、神経を電気刺激するために電極がむき出しになったデバイスで、こうした要件をクリアーするのは容易ではありません。物質創成科学研究科の野田 俊彦 助教はデバイス製作の難しさについて次のように語ります。
「デバイス製作は、工程ごとに正確な寸法で加工できているかを検査しながらの作業になります。患者さんに使っていただく段になって動かなかった、では許されないので、歩留まりや安全性を常に意識して製作に臨んでいます」
ミツトヨの測定顕微鏡 MF-UB1010C
 このように重要な意味を持つ工程内検査で活躍しているのが、ミツトヨの測定顕微鏡MF-UB1010Cです。「作動距離が長いことが、MF-UB1010Cを活用する一番の理由です。治具で抑え込んだ状態で対象物を検査することもあるので、周辺部へのレンズの干渉を避けるためにも長作動が必須です。実は、対象物をケースに入れたまま測定できることも便利だと感じています。また、操作が容易なので、対象物のある領域をほんのちょっとだけ観察するといった用途にも活用しています」と野田助教は述べ、機能性と操作性の両面でMF-UB1010Cを高く評価してくださいました。なお、レーザ加工機やマニュアルのプローバにも、ミツトヨの長作動対物レンズをご利用いただいているとのことでした。
 太田教授は、光機能素子科学研究室の研究活動を「大変で、泥臭い仕事」と表現します。実験を粘り強く行ったり、検査機器を自作したり、臨床現場と大学を往復したりなど、研究に付随する作業が山とあるからです。そんな大変な研究活動を、野田助教や研究室のメンバーが支えています。忙しい毎日を送っているという野田助教ですが、「ゆくゆくは患者さんの役に立つという、この研究の将来ビジョンがモチベーションになっています」と力強く語ってくださいました。
 人工視覚システムが実用化に至るまでは、まだ多くの課題があるということですが、物質創成科学研究科は労を惜しまない姿勢で、実用化への道を着実に歩んでいると感じました。光機能素子科学研究室は今後、さらに大きく飛躍されることでしょう。

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