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NEW TECHNOLOGY TREND 38



非接触CNC画像測定機 “New QUICK VISONシリーズ”の開発


川崎研究開発センタ 商品開発部
長濱 龍也 宇和田 誠 吉木 良一 井村 隆治
1.はじめに


図1 New QUICK VISIONシリーズ

図1 New QUICK VISIONシリーズ
 近年の、半導体・記録媒体・情報機器類の急速な発展に伴い、各機器類の構成部品についても、微細化や高精度化が進んでいます。
 このような市場の動向に伴い、これら部品の検査に利用して頂いている、非接触CNC画像測定機に対しても、高精度で、かつ、高速な測定が望まれてきています。  これらの要求を達成するためには、本体精度・光学性能・画像処理ソフトウェアなど、測定システム全体で引き上げていくことが必要です。
 そこで、弊社は、上記、測定システム全体の性能向上を実現するため、非接触CNC画像測定機(QUICK VISIONシリーズ)の全面リニューアルを行いました(New QUICK VISONシリーズ)。
 New QUICK VISONシリーズ(以下、New QVシリーズ)について紹介するとともに、性能向上を実現するために実施した施策について述べます。

2.システム構成と仕様

 New QVシリーズのシステム構成と仕様を表1に示します。
 測定精度に応じて、APEX機(標準)・Hyper機(高精度)をラインアップし、機種毎にステージサイズの選択が可能です。さらに、ノンストップ画像測定によりスループットの大幅な向上を可能としたSTREAM-PLUS機をラインアップしました。
 仕様については、表1に示すように、XY及びZ方向の測定精度を大幅に向上し、かつ、XY方向の駆動速度を、従来の300mm/sから400mm/sに向上(QV-404以上)しています。
表1
New QVシリーズのシステム構成と仕様
表1 New QVシリーズのシステム構成と仕様

3.New QVシリーズの特徴

3.1 測定精度の向上と高速化

 New QVシリーズでは、本体の剛性向上と重量低減という、通常、相反する課題を解決するために、FEM解析による構造の最適化設計や、構造部品の全面的な見直しを行いました。これにより、本体の重量を約20%低減しつつ(QV-606)、荷重移動による変形を最小限に抑えた高剛性ボディを実現しました。
 この結果、XY方向の駆動速度を、従来の300mm/sから400mm/sに向上可能となりました(QV-404以上)。また、測定精度についても、従来機に対して、大幅な向上を果たしました。
表2
駆動速度と測定精度の比較
表2 駆動速度と測定精度の比較

(※1) QV-404以上

3.2 光学性能の向上

 非接触CNC画像測定機では、顕微光学系と照明光学系により、測定ワークの拡大画像を生成し、この拡大画像を利用して測定を行っています。
 このため、光学系の収差や明るさ・解像力・フレア等の光学性能が、非接触CNC画像測定機の性能を決める大きな要因となっています。今回の、New QVシリーズでは、対物レンズ・本体光学系、および照明装置の大幅な見直しを行い、従来機よりも、鮮明で明るい画像を実現しています。
 以下、光学系の改善内容について述べます。

3.2.1 明るさの向上

 近年、LED素子の高輝度化が進み、発光効率の高いパワーLED素子が市場に出現してきています。New QVシリーズでは、上記、最新のパワーLED素子を搭載することで、従来機に対して、最大2倍の明るさ向上を達成しています。
 これにより、反射率の低いセラミックパッケージなどの測定ワークに対しても、十分な明るさを確保可能となっています。
図2.1 New QVシリーズのLED照明装置(PRL)

図2.2 明るさの比較
図2.1
New QVシリーズのLED照明装置(PRL)
図2.2
明るさの比較
3.2.2 解像力の向上

 New QVシリーズでは、対物レンズ(QV対物レンズ)と本体光学系を新規設計する事で、光学系の開口数(N.A.)を向上しています(新開発のQV-HR1x対物レンズ及びQV-HR2.5x対物レンズ使用時)。画像の解像力は、光学系のN.A.に比例するため、従来機に対して解像力の高い鮮明な画像を提供可能となっています。更に、レンズの最適化設計による低ディストーションの光学系により、高い画面内測定精度を実現しています。
 また、QV-HR2.5x対物レンズ(標準付属)及びQV-HR1x対物レンズにおいては、作動距離を34mmから40.6mmへと拡大し、使い勝手の向上を実現しています。
表3
New QVシリーズ用対物レンズの主な仕様
表3 New QVシリーズ用対物レンズの主な仕様

※1 現行品の値を1とした際の値
図3 QV対物レンズの新規ラインアップ
図3
QV対物レンズの新規ラインアップ
3.2.3 フレアの低減

 New QVシリーズでは、徹底的な調査実験とシミュレーションを繰り返す事により、対物レンズや本体光学系により発生するフレアを、大幅に低減しています。これにより、樹脂表面など、従来、フレアにより観察が困難であった低反射率の測定ワークに対しても、フレアの少ない鮮明な画像を提供可能となっています。
図4 樹脂表面の観察像比較
図4
樹脂表面の観察像比較

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