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NEW TECHNOLOGY TREND 31



ナノ計測に向けての計測技術


川崎研究開発センタ 商品開発部 2グループ
石津 千裕  張 玉武
1.はじめに

 近年、半導体やMEMS等の微細形状の計測分野においては、光学技術を応用した非接触式のセンサを始めとして接触形低測定力式センサ、測長用高分解能エンコーダ、超高精度位置決めステージ等の高度な開発要素を用いることにより、計測要求に対する様々なソリューションが試みられています。反面、発展段階にある微細計測分野では測定の難易度が高いものが多く、対応する測定技術も模索段階にあるといえます。  本稿では、将来急速に要求が高まると予測される微細計測分野にターゲットにおいた弊社商品(以下"ナノコード"と称します)の微細形状計測実現のための技術紹介をいたします。

2.微細形状計測システム "ナノコード"

 一般に高い分解能を誇る測定センサは測定レンジが狭いものが多く、測定対象物の形状や測定範囲、スキャニング次元の限定など本格的な立体形状への利用を行うためには、高精度なステージシステムとのコンビネーションが不可欠といえます。
 ナノコードシステムは、微細なワークの形状計測を汎用的に行うことを目的とした測定システムであり、高精度を誇る「ステージ」と高感度な「測定センサ」及び測定位置の観察・位置決め測定を行う「画像ヘッド」との組合せにより各種の微細形状評価要求に応えることを目的としたシステムです。

2-1 装置の構成

 ナノコードのシステム構成(概要)を図1に示します。

図1:ナノコード システム構成
図1:ナノコード システム構成

 ナノコードシステムの特長は、装置に搭載するセンサを測定する用途により選択できることです。これは微細ワークの形状や性状が、その用途により様々であるため、測定に適したセンサもユーザの用途に合わせた仕様を用意する必要があるものと推測してのことです。
 測定システムは、XY平面案内構造の「測定ステージ」と、センサにて測定する位置を予めCCDカメラにより観察・位置決め測定するための「光学ヘッド」及び「各種センサ」の組合せにより構成されます。
 光学ヘッドは、弊社の画像測定機クイックビジョンシリーズに搭載している光学ヘッド・照明システムを採用しており、本商品を高精度の画像システムとして利用することも可能です。

2-2 プラットフォームの構造

 プラットフォーム部の概略仕様を表1に示します。
センサを支える測定テーブルは本格的なサブミクロン測定を目指し、図2に示すような構造としています。

表1:プラットフォーム仕様

項目 仕様
本体構造 XY平面 XY平面案内
Z軸 固定スピンドル,キャリッジ移動形
ガイド 静圧空気軸受け
駆動機構 フリクションドライブ
測長ユニット レーザホロスケール
測定範囲(X×Y×Z) 300×200×100mm
光学ユニット VMU-1BG
照明方式 光源 ハロゲン光源+ライトガイド伝達
機能 垂直落射照明, プログラム制御リングライト照明
指示精度 (0.3+L/1000)μm  L:測定長(mm)

図2:プラットフォーム部内部
図2:プラットフォーム部内部

1)
XY平面案内構造
 本装置はZ軸方向の精度保証を最重要視し、本体の構造にXY平面案内構造を採用しています。
 測定テーブルがオーバーハングすることなく移動できる大形のベースの上面を精密平面ラップ技術により高精度に仕上げ、測定テーブルのピッチング運動や真直度運動誤差を最小限に抑えています。
2)
静圧空気軸受け
 案内ガイドは全軸に静圧空気軸受けを組込み、隣接誤差の発生を抑制しています。
3)
摩擦駆動方式
 駆動ユニットは、弊社独自の摩擦駆動方式を採用しています。精密に仕上げられた摩擦ローラと駆動バーにより、ボールねじ駆動などに見られる脈動のない滑らかな駆動を実現しています。

図3:平面案内構造図
図4:摩擦駆動ユニット
図3:平面案内構造図
図4:摩擦駆動ユニット

4)
重心軸駆動
 駆動作用点を全軸移動体の重心軸上に配置することで、駆動時に発生する移動体の不要な姿勢変異を抑制するよう努めています。
5)
レーザホロスケール
 各軸の移動変位を読取るスケールは、弊社の高精度スケールユニットLHS23Cを搭載しています。このスケールは、スケールインデックスの干渉波を利用したホログラムスケールユニットであり、高度な校正技術を併用することによりレーザ測長器に匹敵する高精度な変位計測を実現しています。

2-3 搭載センサ

 搭載可能なセンサは図1に示すもので、対象となるワークの性質や測定目的に応じていずれか1つのセンサをシステムに組込むこととなります。センサは接触式・非接触式のいづれも搭載可能であり、将来的にも様々なセンサの組合せを予定しています。

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