「ブロックゲージ」に関するJIS B 7506:2004年版について

2004年03月20日にブロックゲージの日本産業規格がJIS B7506:1997からJIS B7506:2004へ、ISO 3650:1998を採用して改正されました。弊社のゲージブロックの検査/校正時に発行する"検査成績書、校正証明書"などの書類もこれに合わせて用語を改正致します。

2004年版JISにおける主な内容を以下にご紹介致します。

1.規格値の変更はありません。

2004年版は1997年版がISO/DIS 3650の直訳であったため、日本語として理解しにくい用語の表現を使用しておりました。この用語の変更が主で規格値の様な数値の変更はありません。

2.用語の定義が変わりました。

JISB7506:1997 JISB7506:2004 説明
a) ブロックゲージ ブロックゲージ
b) ブロックゲージの寸法(l) ブロックゲージの寸法(l)
c) ブロックゲージの中央寸法(lc) ブロックゲージの中央寸法(lc)
d) 任意の位置における寸法の呼び寸法からの寸法偏差(e) 任意の位置における寸法の呼び寸法からの寸法差(e) 変更*1
e) 寸法公差(te) ブロックゲージの寸法許容差(te) 新設*2
f) ブロックゲージの寸法偏差(v) ブロックゲージの寸法差幅(v) 変更*3
g) 許容寸法偏差(tv) ブロックゲージの寸法許容差幅(tv) 新設*4
h) 測定面の平面度(fd) 測定面の平面度(fd)
i) 密着(リンギング) 密着(リンギング)
  1. *1ISO 3650では"Deviation"の用語に従って“寸法偏差”に置き換えていたが、他の用語と紛らわしく 混乱を避けるため"寸法差"とした。
  2. *21997年版 6項で記載してあったが、定義はされてなかったので“寸法差”に合せて公差の用語も定義した。
  3. *3ISO 3650では"Variation"の用語で表現されている。他の用語と紛らわしく寸法のバラツキの幅として取り扱い混乱を避けるため“寸法差幅”とした。
  4. *41997年版 6項で記載してあったが、定義はされてなかったので“寸法差幅”に合せて許容値の用語も定義した。

3.校正の不確かさは寸法許容差だけに含むことに変更されました。

寸法差幅(旧 許容寸法偏差)は測定箇所の違いにおける相互差を見いだすものであるから、ブロックゲージの寸法を求める場合と条件が異なるので対象から削除した。
(1997年版):見積もられた校正の不確かさは、その寸法公差及び許容寸法偏差に含むものとし・・・。
(2004年版):見積もられた校正の不確かさは、その寸法許容差に含むものとし・・・。

4.【参考】 JIS B7506:2004 表1 呼び寸法からの寸法許容差及び寸法許容差幅

[表1] 単位:μm
呼び寸法
ln
(mm)
K級 0級 1級 2級
を超え 以下 寸法
許容差
te
(±)
寸法
許容差幅
tv
寸法
許容差
te
(±)
寸法
許容差幅
tv
寸法
許容差
te
(±)
寸法
許容差幅
tv
寸法
許容差
te
(±)
寸法
許容差幅
tv
0.5
10
25
50
10
25
50
75
0.20
0.30
0.40
0.50
0.05
0.05
0.06
0.06
0.12
0.14
0.20
0.25
0.10
0.10
0.10
0.12
0.20
0.30
0.40
0.50
0.16
0.16
0.18
0.18
0.45
0.60
0.80
1.00
0.30
0.30
0.30
0.35
75
100
150
100
150
200
0.60
0.80
1.00
0.07
0.08
0.09
0.30
0.40
0.50
0.12
0.14
0.16
0.60
0.80
1.00
0.20
0.20
0.25
1.20
1.60
2.00
0.35
0.40
0.40
200
250
300
250
300
400
1.20
1.40
1.80
0.10
0.10
0.12
0.60
0.70
0.90
0.16
0.18
0.20
1.20
1.40
1.80
0.25
0.25
0.30
2.40
2.80
3.60
0.45
0.50
0.50
400
500
600
500
600
700
2.20
2.60
3.00
0.14
0.16
0.18
1.10
1.30
1.50
0.25
0.25
0.30
2.20
2.60
3.00
0.35
0.40
0.45
4.40
5.00
6.00
0.60
0.70
0.70
700
800
900
800
900
1000
3.40
3.80
4.20
0.20
0.20
0.25
1.70
1.90
2.00
0.30
0.35
0.40
3.40
3.80
4.20
0.50
0.50
0.60
6.50
7.50
8.00
0.80
0.90
1.00

注:呼び寸法の0.5mmは、この寸法区分に含む。

詳しい内容につきましては、日本規格協会発行の【JIS B7506:2004 ブロックゲージ】をご覧ください。