入社のきっかけ

工学部の電気・電子学科で学んだのち、大学院へ。 院では次世代光学メモリに関する研究をしていた。 就活時に父からもらった「やりたいことではなく、できることを仕事に」というアドバイスを踏まえ、電気の知識が活かせる仕事を探した。 先輩にすすめられてミツトヨと出会う。

現在の仕事内容

電装機器の仕様検討、設計、評価を行う。 機構設計やソフトの設計、レンズが必要な場合は光学系のエンジニアなど様々な技術者と連携しながら、どのような仕様で計測・測定を実現するか、日々検討を行っている。

「険しい道」を登り続ける。
設計開発の仕事。

設計開発の仕事は、山登りの様な仕事だと感じます。 要素開発から機能試作、量産試作まで険しい道のりが続き、最終製品ができあがるまでには数年を要することも。 それ故、開発が終了を迎えた際は、山頂に辿り着いたかのような安堵感、達成感を感じます。 私がはじめてそれを感じたのは、入社2年目の時のこと。 川崎工場の主力商品のひとつである画像測定機内部の電装基板を十数年越しにリニューアルする仕事を任されたのです。 中核となるICが生産中止となり、部品を入れ替えるにあたって大幅な設計変更が必要でした。 電装基板の大きさは、おおむねハガキ一枚分。 その小さなスペースに、緻密な設計を施した先人たちの知恵が詰まっています。 十数年前に当時のエンジニアが残してくれたドキュメントを手がかりに、設計開発を進めていきました。

十数年越しのリニューアル。
設計ひとつで、売上も変わっていく。

リニューアルに際し、意識したのはコストダウンを実現すること。 精度・性能はそのままに、より生産しやすく、コストを抑えた設計を施すのが私のミッションでした。 電子機器は出荷にあたりクリアしなければならないノイズに関する規格があるのですが、十数年前の設計では、「その規格をクリアするために追加した部品」が散見されました。 追加した部品の機能を回路の中で実現できれば部品を削減しコストカットできるのではないかと考え、設計に取り組みました。 「ハガキ一枚」に取り組むこと数ヶ月。 何度も検討を重ねた結果、ねらい通り部品を削減でき、結果的にコストダウンを実現することができたのです。 月に数十台が出荷されていく商品とあって、製造コストが下がることはそのまま当社の売上にも直結します。 目に見える形で成果が残せたことは、純粋に嬉しかったですね。 ミツトヨはロングランの商品が多く、私がリニューアルに携わった機器も5世代目のもの。 おそらく十数年後、6世代目のリニューアルを任される未来の後輩のために、しっかり設計に関するドキュメントを残しておきました。 その頃には世の中に流通する電子部品の性能は向上し、それらを用いてより良い回路設計が実現できると信じ、未来の後輩に託したいと思います。

すべてに厳しい目を向けて。
今までになかったものを形にする。

今担当しているのは、リニューアルの商品ではなく、新商品。名前はまだありません。工作機械に組み込むことを想定した計測機器の電気回路を設計しています。「こうしたい」を反映できる面白さがある一方で、ゼロイチの難しさもあります。部内で定期的にグループ内の有識者を集めてレビューを行うのですが、厳しい指摘が何時間も飛び交うことも。それだけ私たちが担う開発業務は責任が大きく、品質にこだわる必要がある。機械を1週間連続で稼働させても熱がこもらないか。性能に支障はでないか。品質はもちろん、安全面やコスト面など、すべてに厳しい目を向けなければいけないことを、設計しながら学んでいる最中です。目指したいのは、先端技術に明るいエンジニア。最新技術や新商品などの情報をマルチに取り入れて、視野を広げていきたい。そうすることで、今までにない商品をつくることができると思うのです。最終製品ができるまで、険しい道のりはまだまだ続きますが、山頂までたどり着いた時の達成感のために、これからも技術力を磨いていきたいと思っています。

私が見つめる「測る」の先先端技術を掛け合わせ、
進化し続ける。

電子部品は日進月歩で、より高機能に、よりコンパクトに進化し続けています。長年ミツトヨが培ってきた技術やノウハウと先端技術を掛け合わせることで、新しい価値が生まれるはず。いまの時代のエンジニアとして、過去を超えるいいものをつくらないといけないのだと自分自身を鼓舞しています。

商品開発

仕事内容

ミツトヨの計測技術とお客様のニーズをつなげて商品化するのが商品開発の仕事です。 ミツトヨの商品は手のひらサイズの測定工具から電装システムやアプリケーションソフトを搭載した測定装置システムまで様々。 機械・電気・光学・制御・ソフトなど複数の開発者がプロジェクトを組んで一つの商品開発をします。 商品の企画から商品設計、試作、分析評価、そして量産準備までがメインですが、営業サービス部門と協力した市場マーケティングやお客様への技術説明、製造部門と協力した量産体制構築など部門を超えて上流から下流まで、モノづくり全体を担っています。

やりがい

自分の開発した商品が世界中のユーザーに使われ、そしてモノづくり業界の未来を担えるという醍醐味を味わうことができます。