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NEW TECHNOLOGY TREND 39



計測データワイヤレス通信システム U−WAVE


営業本部 グローバル営業技術部 M3 Solutions World Center 小林 博厚


写真1

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 ミツトヨではデジタル式の測定器を使い計測データの管理業務の効率化を促進するためのツールとして各種インタフェース機器や品質管理用のパッケージソフトを用意しています。しかし、こういった機器の利用率はまだまだ低く、実際の計測現場では手書きによるデータの記録が大半を占めていると思われます。検査システムの合理化を検討したいと思っている検査・品質管理担当者は多いはずですが、パソコンやソフトウェアの知識不足や予算の確保や導入効果が得られるかといった疑問など様々な不安材料をかかえ具体的な取り組みが進んでいないと思われます。そんな中で近年好評を得ている商品がUSBタイプのインプットツール(写真1)です。
 この商品は安価(本体1万2千7百円)でパソコン(Windows2000/XP)に接続するだけでHIDキーボードデバイスとして自動認識されるため、特別なソフトや設定は不要で、データスイッチを押した時の測定データをExcelなどの汎用ソフトに簡単に取込むことができます。手書き記録をなくしパソコンに入力する際の転記ミスもなくなることから検査データの信頼性も向上します。シンプルで簡単なシステムなため誰でも使えますが、何か応用的な使い方をしたいと思っても機能的な拡張性がないためキーボード入力の代替システムとしての限定的な効果に留まっています。
 今回ご紹介するU-WAVEはUSBインプットツールと同等の使い易さを継承しながら、ワイヤレス通信の特性を活かした多チャンネル接続(最大100ch)、ID識別、双方向通信によるコマンド制御などソフトウェアと連動した応用的なシステム構築への拡張性を備えています。また、ケーブルの制約から開放され測定の作業性の向上や価格面で大幅なコストダウンも実現しています。

1.U-WAVEの概要と特長

 まずU-WAVEの概要ついて説明します。
 “U-WAVE(ユーウェーブ)”はミツトヨのデジマチック出力付測定器のデータをMicrosoft Excelやメモ帳などの汎用ソフトに取込みが可能なワイヤレス通信システムです。
 システム構成はデジマチック測定器に専用ケーブルを使って接続する“U-WAVE-T(ユーウェーブティー)”と、パソコンにUSBケーブルで接続する“U-WAVE-R(ユーウェーブアール)”からなります。(図1)
図1
 データスイッチを押すことによりU-WAVE-Tから送信された測定器のデータはU-WAVE-Rで受信されUSB経由でパソコンに取込まれます。取込まれたデータはあらかじめインストールしておいた付属のソフトの機能によりキーボードエミュレーションデータとしてExcelなどのアプリケーションソフトに渡されます。
 ミツトヨでは1992年からワイヤレス通信システム“μ-WAVE(ミューウェーブ)”を販売しており、このU-WAVEは今春から発売開始した後継機種になります。
 以下に従来機種のミューウェーブと比較しながらU-WAVEの特長を述べます。

1.1 大幅なコストダウンを実現 (図2)

 ミューウェーブではシステム価格で1セット15万円近くしていましたが、U-WAVEでは6万円を切る価格を実現。購入検討しやすい価格設定になっています。
図2
図2
1.2 データ送信側 U-WAVE-Tの特長

 U-WAVE-Tでは防塵防水対応(IP67相当)のものとLEDとブザーによる手元での着信確認できるものの2機種を用意しました。近年、加工現場などの悪い環境での測定に対応したクーラントプルーフタイプの測定器(カンタマイク、スーパーキャリパなど)を充実させてきているがこれらとIP67タイプのU-WAVE-Tを組合せて使用することができます。検査室など環境の良いところではブザータイプのU-WAVE-Tが使えブザー音による耳での着信確認が可能です。LED点灯による目視での着信確認は両機種とも共通となっています。
 電源はリチウム電池(CR2032×1個)を使用。データ送信時以外は休止モードに入り消費電流の大幅低減により連続データ送信約40万回の長寿命を実現(従来機種比2.3倍)しました。
 測定器との接続ケーブルは従来の一体型よりネジ留めによるセパレート型に変更。1個のU-WAVE-T本体で複数種類のケーブルを付け替えて使用することも可能になりケーブル破損時の修理交換も簡単に行えメンテナンス性が向上しました。

1.3 データ受信側 U-WAVE-Rの特長

 U-WAVE-Rとパソコンとの接続はUSBを採用。電源供給もUSBバスパワー方式なのでACアダプタ等の別電源は不要になりました。
 U-WAVE-Rには設定用ソフトウェア“U-WAVEPAK (ユーウェーブパック)”が付属しており、これをあらかじめインストールして識別用のID設定や使用する周波数の選択などの初期設定をします。また、USB経由にて受信したデータをキーボードエミュレーションデータとしてアプリケーションソフトに受け渡すデータインターフェース機能(データI/F機能)を標準装備しており、Excelなどへの取込を目的とする場合は別途ソフトを用意する必要はありません。

1.4 無線通信仕様

 無線通信仕様については下記表の通りです。
表
 IEEE802.15.4に準拠しておりミツトヨ独自仕様を取り入れています。 周波数はグローバル展開を視野に世界中で免許が要らず使用できる2.4GHz帯を採用。周波数は15chから選択可能。U-WAVEPAKにはノイズスキャン機能があり使用する場所でのノイズレベルが確認できます。無線LANなど他の通信機器との電波干渉がないかチェックしノイズが少ないchを選んで使用できます。
 通信距離は見通せる環境で約20m(従来機種は約10m)です。ノイズがなく電波環境が良いところでは20m以上離れた場所や見通せない場所でもある程度届く性能を持っています。
 工場内の加工現場等で使用する場合に、2.4GHz帯でノイズを発生する設備が近くにあると通信速度が低下、もしくは遮断される可能性があります。一番懸念される設備としては広域にノイズを発生する放電加工機などがあるが近年の環境対策された機械ではノイズが外部に出ないようシールド対策されている機械も多く影響の少ない場合もあります。もし通信に障害がある場合にはできるだけ離れた場所に設置する等の対策が必要になります。

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